自衛隊5G? 多次元統合防衛力は画餅の恐れあり

尾上定正・元空将
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防衛省庁舎=東京都新宿区で、小川昌宏撮影
防衛省庁舎=東京都新宿区で、小川昌宏撮影

 昨年末に新たな防衛計画の大綱(大綱)と平成31(2019)年度以降の中期防衛力整備計画(中期防)が決定された。サイバー・宇宙・電磁波の新領域を含む領域横断的な運用によって劣勢を克服する多次元統合防衛力という概念が打ち出され、新領域で相手を妨害・無力化する能力の獲得や長射程のスタンド・オフ・ミサイルの取得等、画期的な内容となっている。

 また、F4に加えF15非近代化機(約100機)もF35で更新し(総数147機)、うち42機は短距離離陸・垂直着陸機(STOVL)とすることも決定された。弾道ミサイル防衛の総合防空ミサイル防衛(IAMD)への拡張等とも併せ、自衛隊の第5世代化を一気に加速する方針だが、革新的な計画故に課題も多い。多次元統合防衛力を画餅に帰させないためには、多次元の統合的な施策が不可欠である。

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尾上定正

元空将

1959年生まれ、82年防衛大学卒(26期)。第2航空団司令兼千歳基地司令、北部航空方面隊司令官などを歴任し、航空自衛隊補給本部長を最後に2017年に退官。19年7月からハーバード大学アジアセンターのフェローに就任。