消費増税は凍結すべきだ 景気は先行き不透明

片山虎之助・日本維新の会共同代表
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片山虎之助氏=須藤孝撮影
片山虎之助氏=須藤孝撮影

 安倍晋三首相は2019年10月の消費税率の引き上げを予定通り実施する構えだ。これまで引き上げを2回延期しているので、3回目は延期できないということで実施するのだろうが、しかし、延期した2回に比べて、現在の景気動向の見通しが特に良いわけではない。

 米中の貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱など、先行きが見えない要素も多い。そのなかでの引き上げは景気に与える影響が心配だ。

 今は消費増税は凍結し、景気回復を本格化させることに注力した方が良い。

「議員定数を増やして増税」は国民に説明できない

 しかも今回の税率引き上げに伴う対策はポイント還元始め、額が大きすぎる。増収分をみんな対策に回してしまっては、なんのために税率を引き上げるのか、わからなくなる。

 なによりも問題なのは、増税を国民にお願いするならばやはり国会議員や国家公務員の人員削減や報酬削減で「身を切る改革」を示して協力を求めないとならない。

 ところが、参院で定数を6増やす。それも結局は参院選挙区の合区に伴って自民党議員の行き場がなくなったことの対策が理由になっている。党利党略以外のなにものでもない。

 さすがに気が引けたのか、参院議員の歳費を削減するというが、衆院はそのままだ。増税するのに国会議員の定数を増やすというのはどうにも国民に説明できない。

 軽減税率も現場は大混乱することは今から見えている。10%の税率に対して8%の軽減税率、2%の軽減では導入の意味があまり見えないが、おそらく今後、税率をさらに引き上げる際のことを考えているのだろう。

 ところが首相は最終的にどこまでの税率を考えているかは明言しない。言えば大変なことになるからだろうが、しかし10%でおしまいということではないだろう。

 気になるのは企業の内部留保がどんどん増えることだ。400兆円を超えて過去最高になっている。企業の言い分はあるけれども、これが設備投資にも賃上げにも結びつかない。

 一方で、消費税は大衆課税だ。誰からもまんべんなく取れる税であるという利点はあるが、同時に(所得の低い人ほど負担割合が高くなる)逆進性がある。

 企業の内部留保の増加と消費税の逆進性、この二つについてはよく考える必要がある。

片山虎之助

日本維新の会共同代表

1935年生まれ。58年自治庁入庁。89年参院初当選。郵政相、自治相、総務相、自民党参院幹事長などを歴任。参院比例、当選5回。