レギュラー 「はじめの一歩」船田元 フォロー

現場主義の憲法改正論議「急がば回れ」

船田元・元経済企画庁長官

 去る1月28日に始まった通常国会も2カ月を経過しようとしている。衆議院憲法審査会も店開きしようとしているが、昨年春、自民党としてまとめた改憲案が、いまだに審査会で他党に説明できていない。本来は審議促進をもくろんでまとめた案だが、残念ながら促進剤とはなっていない。

 私はかつてこの審査会で、与党筆頭幹事を務めていたが、審査会長だった中山太郎先生の薫陶を受けながら「現場主義」に徹し、各党間の自由討議の中から、改憲の共通テーマを拾い上げた。緊急事態条項、環境権をはじめとする新しい権利、そして財政規律条項の三つである。2015年春の国会だった。

 各党参加のもとでいよいよ中身の議論に移ろうかという時、当時与野党が厳しく対立していた平和安全法制を巡り、自民党推薦の参考人が「違憲の疑いがある」と陳述する事態が発生した。その後長期にわたり審議がストップしたことは、今も忸怩(じくじ)たる思いであり、反省しきりである。

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元経済企画庁長官

 1953年生まれ。79年衆院初当選。自民党青年局長、経済企画庁長官、党憲法調査会長などを務めた。92年に経済企画庁長官として入閣した際は39歳で、当時戦後最年少だった。衆院栃木1区、当選13回。憲法問題では与野党を超えて信頼される。自民党茂木派。