台湾海峡の乱気流 中間線侵犯が招く中台紛争の危機

尾上定正・元空将
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軍事演習で高速道路に着陸する戦闘機F16=台湾嘉義県民雄郷で2014年9月16日、鈴木玲子撮影
軍事演習で高速道路に着陸する戦闘機F16=台湾嘉義県民雄郷で2014年9月16日、鈴木玲子撮影

 中国空軍の「殲11(J-11)」戦闘機4機が、台湾海峡の中間線を越えて台湾の西南海域の上空に侵入した(3月31日午前11時ごろ)。台湾側は空中戦闘哨戒(CAP)中の戦闘機「経国」2機を派遣し、中間線の西側に戻るよう警告を発した。これに対し、2機のJ-11は引き返したが残りの2機は応じず、10分間ほど台湾側の上空で対峙(たいじ)したという。

 台湾側は南部・嘉義の空軍基地からF16戦闘機4機を追加で緊急発進させ、「天弓」等の地対空ミサイル部隊に即応態勢を指示した。中国空軍戦闘機が台湾海峡の休戦ラインと見なされる中間線を越えたのは8年ぶりのことであり、この中国の武力示威は、先月24日の米国の「航行の自由作戦」(米海軍艦艇2隻が台湾海峡を通過)と台湾への武器供与などへの報復という分析が出ている。

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尾上定正

元空将

1959年生まれ、82年防衛大学卒(26期)。第2航空団司令兼千歳基地司令、北部航空方面隊司令官などを歴任し、航空自衛隊補給本部長を最後に2017年に退官。19年7月からハーバード大学アジアセンターのフェローに就任。