令和に潜む安倍首相の一国主義

須藤孝・政治プレミア編集長
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記者会見で新元号「令和」についての談話発表後、質問に答える安倍晋三首相=首相官邸で2019年4月1日午後0時14分、川田雅浩撮影
記者会見で新元号「令和」についての談話発表後、質問に答える安倍晋三首相=首相官邸で2019年4月1日午後0時14分、川田雅浩撮影

 令和は日本で初めて和書(万葉集)を出典とした元号になった。安倍晋三首相は和書から引いた理由について記者会見で「我が国の豊かな国民文化を象徴する」と説明した。

 万葉集が国民文化を象徴するのはその通りだ。しかし、大化以来、漢籍を典拠としてきたのも日本の伝統ではなかっただろうか。

「からごころ」からの決別

 明治維新は「からごころ」(中国の考え方)から「やまとごころ」(日本の考え方)を峻別(しゅんべつ)しようとした国学の思想が背景にある。近代国家を形成するうえで、近隣の文化大国だった中国との関係を整理しなければならなかったという事情があった。

 長州(山口県)出身の首相としては、元号がいまなお中国文化の影響下にあることは維新の元勲がやり残した…

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須藤孝

政治プレミア編集長

1967年生まれ。91年入社。福岡総局などを経て2003年から政治部。18年から現職。