外事大事

習主席肝いりの「広東・香港・マカオ大湾区」構想が始動

坂東賢治・専門編集委員
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香港国際空港で演説する習近平国家主席=2017年6月29日、福岡静哉撮影
香港国際空港で演説する習近平国家主席=2017年6月29日、福岡静哉撮影

 中国経済の先進地域である広東省南部と「1国2制度」が適用される特別行政区である香港、マカオを一体化して発展させようという「広東・香港・マカオ大湾区(グレートベイエリア)」構想が動き出した。4月には香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官や広東省の馬興瑞省長らが来日し、発展の潜在力をアピールして日本の協力を求めた。中国の発展で相対的に存在感が低下した香港の活性化につながるという期待の一方で、「1国2制度」の有名無実化を懸念する声もある。習近平国家主席肝いりのプロジェクトの狙いを探ってみたい。

 ベイエリアといえば、米西海岸カリフォルニア州のサンフランシスコ、オークランドを中心としたサンフランシスコ湾地域を指すのが一般的だ。サンフランシスコ・ベイエリアの南部、サウスベイ地域はアップルやグーグル、フェイスブックなどあまたのIT企業を生んだシリコンバレーとほぼ重なり、米国経済を支えるイノベーション基地となってきた。

 広東・香港・マカオ大湾区が目標にするのはこのサンフランシスコ湾にニューヨーク湾、東京湾を加えた3大ウォーターフロント地帯だ。技術革新を支えるサンフランシスコ湾、世界の金融拠点であるニューヨーク湾、製造業を含めたさまざまな産業が集積した東京湾。それぞれの特徴を併せ持った世界最先端の第4のベイエリア地域を創り上げようという構想だ。

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坂東賢治

専門編集委員

1981年入社。政治部、外信部を経て91年に香港支局長。中国総局長(北京)、ニューヨーク支局長、北米総局長(ワシントン)を歴任し、現在は論説室専門編集委員。中国政治や米中関係などをウオッチしている。