世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(後編) 政治から遠ざかる人々の声をいかに拾うか

菅原琢・政治学者
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鈴木直道氏(中央左)が初当選した北海道知事選。世論調査は有権者の動向をどこまで反映したのか=札幌市中央区で2019年4月7日、貝塚太一撮影
鈴木直道氏(中央左)が初当選した北海道知事選。世論調査は有権者の動向をどこまで反映したのか=札幌市中央区で2019年4月7日、貝塚太一撮影

 前編では、マスメディアの世論調査の回答者が有権者全体の「縮図」となっていないのではと指摘した。今回は、回答者の構成にどのようなゆがみが生じているのか例示したうえで、有権者全体の世論を知るために何をすればよいか考えていきたい。

投票者が過剰に含まれる「縮図」

 前編の最後で、比較した三つの調査のいずれでも、「投票に必ず行く」と答える人の割合が高く、実際の有効投票率を超えていたことを報告した。そこでまず、これら回答者が実際に投票に行ったのかを確認したい。固定RDS、オートコールRDSでは選挙後の調査を行っていないことから、ネット調査のみで“答え合わせ”をすることになる。(※編集部注 「RDS」とは、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に調査員が電話をかける調査方法。「オートコールRDS」は自動音声による電話調査=詳しくは前編参照)

 図1は、投票2週間前の投票予定別に選挙後調査での投票行動を集計したものである。DK/NAは「答えな…

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菅原琢

政治学者

1976年生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授など歴任。専門は政治過程論。著書に「世論の曲解」、共著「平成史【完全版】」など。戦後の衆参両院議員の国会での活動履歴や発言を一覧にしたウェブサイト「国会議員白書」https://kokkai.sugawarataku.net/を運営。