国会議員も「保育園落ちた」

須藤孝・政治プレミア編集長
  • 文字
  • 印刷
2016年3月、「保育園落ちたの私だ」と書いたプラカードを国会前で掲げる保護者たち
2016年3月、「保育園落ちたの私だ」と書いたプラカードを国会前で掲げる保護者たち

 「たった10分だが、その10分が大きい。でも、どうしてもわかってもらえなかった」。自民党のある女性議員はため息をついた。党の部会の多くは午前8時に始まる。開始を8時10分に遅らせてほしいと求めたが、受け入れられなかった。

 保育園に子どもを送る母親にとって朝の10分間は決定的な意味を持つ。一方、部会は政策を議論する場で、当選回数の少ない議員には意見を表明できる貴重な機会だ。

 保育園の送り迎えか、部会か。女性が子育てか仕事かの不幸な二者択一を迫られるのは国会議員も同じだった。

小さな子がいない国会

 国会とその周辺には学齢前の子どもがほとんどいない。参院で0歳児の傍聴が可能になったのは2018年7月のことだ。しかし、私自身も日常的に国会で取材しているが、これまで子どもがいないこと自体に気がつかなかった。

 立憲民主党の西村智奈美衆院議員は、16年に第1子を出産し、衆院議員会館にある認証保育所に申し込んだが「落ちた」。

 私は西村氏が結婚し、出産したことは知識としては知っていた。しかし、西村氏が子育てをどうしているか、などということは考えたこともなかった。

批判される「子育て中の議員」

 私は、今の政治では子育て政策が重視されていて有権者も関心があるのだから、子育て中であることは議員にとってもアピールになるはずだ、となんとなく考えていた。

 しかし、必ずしもそうではない。2人の子育て中の国民民主党の伊藤孝恵参院議員は、議員会館事務所におもちゃやぬいぐるみなどを置いて、子どもが過ごせるようなスペースを作っている(伊藤氏の寄稿と事務所の写真)。ところが、そのことが紹介されると1500件以上の批判が寄せられた。

 また、自民党の鈴木貴子衆院議員は妊娠を公表した際に「職場放棄」などの声が寄せられ、ブログで思いをつづった。鈴木氏は「(妊娠8カ月だったが)どうしても説明したいと思い、ベッドにあおむ…

この記事は有料記事です。

残り417文字(全文1213文字)

須藤孝

政治プレミア編集長

1967年生まれ。91年入社。福岡総局などを経て2003年から政治部。18年から現職。