櫻田淳さんのまとめ

外交と水産振興 切り離した議論が必要では 浜田靖一さん寄稿に

櫻田淳・東洋学園大教授
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櫻田淳さん
櫻田淳さん

浜田靖一氏の「政治プレミア」原稿に即して、筆者が呼び掛けた議論に際しては、筆者の議論喚起原稿に対するものも含めて、30件弱のコメントが寄せられた。読者各位には謝意を表する。

 この件、日本産水産物の禁輸を続ける韓国政府の対応それ自体が不当であると評する声は、決して大きくない。「第一に国民の健康を考えて、危険と考えられる食料の流入を制限するのは各国の権利である」という〈つーさん〉さんのコメントは、その代表的なものであろう。そして、〈いりこ〉さんが示したように、「福島原発事故後の汚染水の影響調査も不十分で、日本の調査の仕方では十分と言えない。海外の当該事故の日本政府の対応に関するドキュメンタリーを見たが、事故後の線量調査の虚偽報告などを見れば日本側の主張に不信感を持つのは当たり前」という見解もある。

 日韓関係の現状に照らし合わせれば、この件もまた、日韓確執を増幅させる材料として語られそうである。実際、「朝日新聞」(6月11日配信)記事によれば、文在寅〈韓国大統領〉は、世界貿易機関(WTO)裁定を「朗報」と評した上で、交渉担当官を大統領府に招き、「すごく誇らしい」とねぎらっている。しかし、この件での「敗北」が日本国内で深刻に受け止められていないのは、それ以前に問題の発端となった原発管理の有りよ…

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櫻田淳

東洋学園大教授

1965年生まれ。専門は国際政治学、安全保障。衆院議員政策担当秘書の経験もある。著書に「国家の役割とは何か」「『常識』としての保守主義」など。フェイスブックでも時事問題についての寸評を発信。