西田亮介さんのまとめ

最低時給引き上げは不可欠 労働時間短縮も議論を

西田亮介・東京工業大学准教授
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西田亮介さん
西田亮介さん

 今回、浅尾慶一郎氏の寄稿についての感想を呼びかけたところ、80近い実に多くのコメントを寄せていただいた。改めて暮らしや生活、企業経営において大きな固定費となる人件費と強く連関する最低賃金の問題に関する強い関心を感じる。

 masajijiさんやあらたまごさん、高橋孝さん、高木勇さんほか多くの人が賛同するように、この間の物価上昇や社会保障費増に対して、家計所得の伸びは横ばいか微減で、十分対応しているとは言い難い。脱デフレを主張するのであれば、家計の改善が不可避だ。有名無実状態にある高度プロフェッショナル制度を除くと、日本の人件費は、現状で時間と結びついていること、また労働者の4割近い非正規雇用の働き方を想起しても、やはり時間給、最低時給の引き上げは脱デフレを考えると不可避だ。

 kojiさんらが指摘するように経営者からすれば、少なくない企業で最大の固定費となっていることも少なくない人件費の引き上げは経営を左右しかねず死活問題ともいえる。そのことは十分理解できる。しかしこれまで不当に安価な時給で人件費を抑制することで製品価格やサービス価格を抑制してきたのだとすれば、将来的には最終製品、サービスの値上げ等を通じて是正されるのが望ましい。そのような制約条件を満たしながら、価格…

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西田亮介

東京工業大学准教授

1983年生まれ。博士(政策・メディア)。専門は社会学、公共政策学。著書に『メディアと自民党』(角川新書)、『なぜ政治はわかりにくいのか:社会と民主主義をとらえなおす』(春秋社)、『情報武装する政治』(KADOKAWA)、『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』(東洋経済新報社)など多数。近著に「コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か」(朝日新聞出版)。ツイッター @Ryosuke_Nishida