ホルムズ海峡 日本の船は日本で守る

香田洋二・元自衛艦隊司令官
香田洋二氏=須藤孝撮影
香田洋二氏=須藤孝撮影

 米国がホルムズ海峡の安全確保を目的とする有志連合に向けて動いている。大切なことは日本が自国の船を守るかどうかだ。「自国の船は守らない」という国の船を守ってくれる他国などない。

 国家の最も重要な役割は国民の生命財産を守ることだ。「他の国に守ってもらう」というところから出発してはいけない。

 ホルムズ海峡で日本の船が危険な目にあうことがわかっていて、日本がそれらの船を守らないことは政治の選択肢としてはありうるのだろう。しかしそれは国民の生命財産を守るという憲法の基本的な目的や精神から明らかに逸脱する。

この記事は有料記事です。

残り3660文字(全文3911文字)

元自衛艦隊司令官

1949年生まれ。72年防大卒、海上自衛隊入隊。92年に米海軍大学指揮課程を修了。海上幕僚幹部防衛部長、統合幕僚会議事務局長、佐世保地方総監などを歴任し、2008年退官。09~11年、米ハーバード大学アジアセンター上席研究員。著書に「賛成・反対を言う前の集団的自衛権入門」など。