ウェストエンドから

「宗教改革」で強まった 英国と欧州の違い

服部正法・欧州総局長
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英議会議事堂の時計台「ビッグベン」=ロンドンで、望月亮一撮影
英議会議事堂の時計台「ビッグベン」=ロンドンで、望月亮一撮影

 欧州連合(EU)からの離脱問題に揺れる英国。なぜ英国だけEUから「足抜け」しようとするのか。英国人に話を聞いていくと、欧州の中に溶解していくことで主権国家としての英国がなくなってしまうことへの恐れや忌避感が極めて強いことに気づかされる。

 離脱機運が高まった原因について、しばしば移民の増加が挙げられ、それが大きな要因であることは世論調査などからも裏付けられている。

 だが、移民に反発する人々らが「(移民増で)もはや(以前の)イングランドではなくなった」とか「国の個性が変わる」などと口にするのを聞いていると、人々を動かしているのは、自分たちの暮らす「土地」や「国柄」の変化や、いわゆる「英国性」の喪失への反発であって、移民というのはあくまでその感情が表象化した「記号」ではないか、とさえ思える。

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服部正法

欧州総局長

1970年生まれ。99年、毎日新聞入社。奈良支局、大阪社会部、大津支局などを経て、2012年4月~16年3月、ヨハネスブルク支局長、アフリカ特派員として49カ国を担当する。19年4月から現職。著書に「ジハード大陸:テロ最前線のアフリカを行く」(白水社)。