官僚からの悲鳴 「公務」は絶滅危惧種に向かうのか

松井孝治・元官房副長官
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松井孝治氏=内藤絵美撮影
松井孝治氏=内藤絵美撮影

 厚生労働省の働き方改革に取り組む若手チームが8月26日、組織の改革をするため根本匠厚労相に対し緊急提言を行った。内容は業務改革、人事制度改革、オフィス環境の改善の3分野で、国会改革から定員不足の問題、非常に実務的な業務改革まで多岐にわたる。

 当初は一部の若手グループの自主的な動きかと思ったが、どうやら省としてチーム編成したうえで調査、問題提起した模様で、厚労省のホームページにも提言が掲載されている。

 一読して印象的だったことは、省内部の業務改善にとどまらず、行政として触れることがタブーとされてきた国会の質疑通告や質疑レクチャーのあり方、さらには通告と実際の質疑の空振りの問題、あるいは与党内でも議論のある厚労省分割論へのコメント、さらには定員不足についての言及など(おそらく行政管理・財政部局とは未調整)、伝統的な昭和以来の「吏道」に照らせば、これを明らかにして大丈夫か?と思われるテーマについて…

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松井孝治

元官房副長官

1960年生まれ。83年旧通商産業省入省、94年から首相官邸出向。2001年参院選で京都選挙区に民主党から出馬し、初当選。09年鳩山内閣で官房副長官。参院議員を2期務め13年政界引退。慶応大総合政策学部教授。19年、有志とともにシンクタンク・創発プラットフォームを設立。