「恨(ハン)」と「憤り」の日韓関係を打開できるのは政治だ

田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長
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田中均氏=根岸基弘撮影
田中均氏=根岸基弘撮影

 日韓関係は出口のない泥沼に入ったと言われる。徴用工問題、レーダー照射問題、輸出管理問題、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)にかかわる問題など懸案は多い。しかしこれらは両国の意志があれば解決できない問題ではない。合理的解決を阻む最大の問題は日韓双方とも相手を理解しようとしないことだ。

 韓国では「日本は歴史を反省していない。それどころか再び韓国を圧迫してきている」「盗人たけだけしい」という意識が前面に出だした。日本では「韓国は約束を守らず、無責任だ。一体いつまで過去の問題を持ち出すつもりなのか」という「韓国の甘えに対する憤り」の感情に支配されているように見える。

 このような意識の背景に何があるのかを冷静に見つめ理解しようとすることが、日韓両国の国民にとって大変…

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田中均

日本総合研究所国際戦略研究所理事長

1947年生まれ。69年京都大学法学部卒業後、外務省入省。オックスフォード大学修士課程修了。北米局審議官、在サンフランシスコ日本国総領事、経済局長、アジア大洋州局長を経て、2002年より政務担当外務審議官を務め、05年8月退官。同年9月より(公財)日本国際交流センターシニア・フェロー、10年10月に(株)日本総合研究所国際戦略研究所理事長に就任。06年4月より18年3月まで東大公共政策大学院客員教授。著書に『見えない戦争』(中央新書ラクレ、19年11月刊行予定)、『日本外交の挑戦』(角川新書、15年)、『プロフェショナルの交渉力』(講談社、09年)、『外交の力』(日本経済新聞出版社、09年)など。