「嫌韓」の裏に格差と陰謀論

須藤孝・政治プレミア編集部
G20サミットのセッション3開始前に韓国の文在寅大統領(左)と握手を交わした後、厳しい表情を見せる安倍晋三首相(右)=大阪市で2019年6月29日、竹内紀臣撮影
G20サミットのセッション3開始前に韓国の文在寅大統領(左)と握手を交わした後、厳しい表情を見せる安倍晋三首相(右)=大阪市で2019年6月29日、竹内紀臣撮影

 「嫌韓」という排外主義が吹き荒れている。少しでも冷静な議論をすれば「売国奴」などの罵声が飛んでくる。

 背景にはアベノミクスにも責任がある格差がある。人間が感じる不満は相対的なものだ。客観的には中間層、あるいはやや上であっても、富裕層に恩恵が偏っていると感じれば不満は爆発する。

 こんな時の政権の対応ははるか昔から同じだ。一つは下に目を向けさせ「それよりはまし」と考えさせる。もう一つは外へ目を向けさせる。

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政治プレミア編集部

1967年生まれ。91年入社。福岡総局などを経て2003年から政治部。18年から現職。