
ニューヨークで見たグレタ・トゥーンベリさんは怒っていた。冷静に知的な言葉をつむいできた彼女が感情をむき出しにする姿を見たのは初めてだった。「How dare you」(よくもそんなことを)と繰り返すあのスピーチの舞台となった国連本部は、9月下旬だというのに上着を着ても肌寒いほどに冷房がきき、「気候危機」を語るのにふさわしい場とは言えなかった。
目の前にいる各国の政治指導者たちは、子供の声に耳を傾ける理解者のような顔をしてふんぞり返っている。スピーチの合間にぱらぱらと起きた賛辞とも戸惑いともつかない拍手が、彼女の怒りを一段とエスカレートさせたように見えた。
この記事は有料記事です。
残り2100文字(全文2381文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ