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北朝鮮「出稼ぎ」労働者 中国は年内送還に踏み切れるか

米村耕一・外信部副部長
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中朝国境を流れる鴨緑江北朝鮮側に建設中の太陽を模した建物。ホテルと見られていたが、北朝鮮紙はアパートだと伝えている=2019年8月撮影
中朝国境を流れる鴨緑江北朝鮮側に建設中の太陽を模した建物。ホテルと見られていたが、北朝鮮紙はアパートだと伝えている=2019年8月撮影

 国連安全保障理事会の決議に基づき、加盟各国が北朝鮮労働者を送還する最終期限である2019年12月22日が近づいている。17年12月22日に採択された決議の趣旨は本来は「ただちに送還する」ということなのだが、「24カ月以内」という猶予期間も設けていた。注目されるのは北朝鮮労働者の人数が圧倒的に多い中国の対応だ。特に中国の北朝鮮との国境地帯では、北朝鮮労働者は地元経済に欠かせない労働力となっており、中朝双方による「抜け穴」を模索する動きが指摘されている。

 「北朝鮮労働者? もちろん、働いているよ。北朝鮮労働者がいないと工場が回らないから」

 8月末、中国東北部遼寧省の衣料品工場関係者に尋ねると、あっさりと認めた。ニット製品の生産などで年商10億円を超えるこの企業では、約450人の北朝鮮労働者が働いているという。労働者を送り出しているのは朝鮮労働党傘下など二つの北朝鮮企業だ。

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米村耕一

外信部副部長

1998年入社。政治部、中国総局(北京)、ソウル支局などを経て2018年から外信部副部長。著書は「北朝鮮・絶対秘密文書 体制を脅かす『悪党』たち」。