
中東は甘くない
ペルシャ湾やバブルマンデブ海峡を航行する日本関連船舶数は、それぞれ約3900隻、約1800隻(2018年実績)と世界トップクラスであり、その安全確保は日本にとって生命線だ。本当に必要ならば当然自衛隊を派遣すべきだ。
しかし、原則論に基づく、前のめりの検討は危険だ。外交的な視点も含めて慎重に考え、しっかり情勢を分析して総合的に判断する必要がある。
米国が有志連合を呼びかけた当初とは周辺情勢が異なってきている。米国自身もそれほど急いでいないし、絶対に米国提案の有志連合に入らないと言っているわけではない。肝心の日本船主協会からも要請は出ていない。
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佐藤正久
前副外相
1960年生まれ。2007年参院初当選。防衛政務官、参院外交防衛委員長、参院自民党筆頭副幹事長などを歴任。参院全国比例、当選3回。自民党竹下派。自衛隊のイラク派遣で先遣隊長を務め、「ヒゲの隊長」と親しまれている。
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