ウェストエンドから

ラグビーW杯が映す北アイルランド問題

服部正法・欧州総局長
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【日本-アイルランド】日本戦を前に、グラウンドに整列するアイルランドの選手=静岡スタジアムで2019年9月28日、竹内紀臣撮影
【日本-アイルランド】日本戦を前に、グラウンドに整列するアイルランドの選手=静岡スタジアムで2019年9月28日、竹内紀臣撮影

 当コラムで毎回、論じている英国の欧州連合(EU)離脱問題が、10月31日の離脱期限を前にいよいよ大詰めを迎えている。英国とEUの間では17日、新たな離脱条件で合意した。残るは英議会でその合意を承認できるかどうかだ。離脱条件の中で、最後まで両者が折り合うのが難しかったのが、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間の国境問題で、英議会でも可否のカギを握る。

 この問題の背景には、支配者だった英国と被支配者だったアイルランドの長く複雑な歴史がある。

 カトリック住民が主流のアイルランドは20世紀になって英国支配を脱したが、それまでに英本土からプロテスタント住民の移住が進み、プロテスタントが多数派となっていた北アイルランドは英国側に残った。

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服部正法

欧州総局長

1970年生まれ。99年、毎日新聞入社。奈良支局、大阪社会部、大津支局などを経て、2012年4月~16年3月、ヨハネスブルク支局長、アフリカ特派員として49カ国を担当する。19年4月から現職。著書に「ジハード大陸:テロ最前線のアフリカを行く」(白水社)。