
10月22日に皇居松の間で行われる「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」では天皇陛下が「高御座(たかみくら)」に登り、即位を内外に宣言するおことばを述べられました。高御座とはなんでしょうか。
天蓋のなかに椅子
わかりやすく言うと玉座です。方形の台座の上に八角形の天蓋(てんがい)がついた椅子が据えられています。
いつも皇居にあるわけではなく、即位礼正殿の儀の時だけ設置されます。大正天皇の即位にあわせて作られたもので、普段は京都御所で保管されています。昨年解体されて皇居に運ばれ、漆の塗り直しなどの補修を経て組み立てられました。高さは約6.5メートル、重さは約8トンあります。
平成の代替わりの際はテロなどを警戒し、京都からヘリコプターで運ばれたという逸話もあります。
古式装束で
高御座に登るのは天皇陛下だけです。皇后陛下は高御座とよく似ていますが、高さが約5.5メートルと少し小さい「御帳台(みちょうだい)」に立たれます。
陛下が即位された5月1日に皇居で行われた即位後朝見の儀では天皇、皇后両陛下は洋装でしたが、即位礼正殿の儀では陛下は古式装束の「黄櫨染袍(こうろぜんのごほう)」、皇后さまは十二単姿と、いずれも和装で臨まれました。
平成の前例を踏襲
即位礼正殿の儀では陛下がおことばを述べた後、首相が「寿詞(よごと)」と呼ばれる祝辞を述べ、万歳三唱しました。
高御座に登った陛下に対し、首相が万歳三唱する形になるので、新憲法下で初めて行われた平成の代替わりでは主権在民の考え方に反するのではないかという議論がありました。今回も平成の例を踏襲しました。
一般公開も
高御座と御帳台は2019年12月22~25日と20年1月2~19日に東京国立博物館(東京都台東区)で、20年3月1~22日には京都御所(京都市上京区)で一般公開されます。(政治プレミア編集部)
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