
参院選で議席を得て、政党要件を満たした「NHKから国民を守る党」。党首の立花孝志氏は「NHKをぶっ壊す!」とのスローガンを繰り返し、地方では候補者が各自の主張をして複数が当選、そしてついに国政にも躍り出たその手法を、立憲民主党の杉尾秀哉氏は「地方自治と政治を冒とくしている」とズバリ斬った。
党は迷走
たしかにN国の地方議員の中には「アイヌ民族なんていない」と言った元市議の男性、さらに「〇〇人を射殺しろ」と街頭で演説した保守活動家の女性など、ヘイトスピーチを繰り返してきた人も含まれており、私もその手法には問題が多いと感じている。
その後、立花党首自身、脅迫容疑で書類送検された後、議員を辞職して参院埼玉選挙区補選に立候補するなど、党は迷走を続けているようだ。
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香山リカ
精神科医
1960年北海道生まれ。東京医科大卒。専門は精神病理学。医師の立場から現代人の心の問題について発言を続ける。立教大学現代心理学部教授。