3分でわかる政治の基礎知識

格差を固定する「子どもの貧困」

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地域の子どもたちが集う「子ども食堂」=東京都大田区の「気まぐれ八百屋 だんだん こども食堂」で2018年9月20日、丸山博撮影
地域の子どもたちが集う「子ども食堂」=東京都大田区の「気まぐれ八百屋 だんだん こども食堂」で2018年9月20日、丸山博撮影

 日本でも子どもの貧困の深刻さが指摘されています。何が問題なのでしょうか。

高い貧困率

 世帯所得から税や社会保険料などを除いた1人当たりの手取り収入を順に並べ、真ん中となる人の金額(2015年は245万円)の半分を「貧困線」と言います。

 この貧困線に満たない人の割合を「相対的貧困率」と呼びます。17歳以下の貧困線に満たない子どもの割合を「子どもの貧困率」といいます。

 厚生労働省による「国民生活基礎調査」(17年6月公表)によると、「子どもの貧困率」は15年時点で13.9%、7人に1人でした。経済協力開発機構(OECD)が14年にまとめた加盟国など36カ国の平均(13.3%)を上回っています。

貧困の連鎖

 子どもの貧困が問題視されるのは、貧困の連鎖が危惧されるからです。よく「学校の給食費が払えない子どもがいる」と言われます。

 貧困家庭の子どもに十分に教育の機会が与えられなければ、成長しても貧困から抜け出すことがより困難になります。貧困家庭が貧困家庭を生む負の連鎖が起きる可能性があります。

 とりわけ問題なのは一人親世帯で、貧困率が5割を超えています。母子家庭は母親の就業率が高いにも関わらず、所得200万円以下の世帯が4割近くを占めています。「女性と子ども」が正当に扱われていない日本の厳しい現実が示されています。

 国も子どもの貧困問題の深刻さを認めています。今年6月には子どもの貧困対策の計画策定を市区町村の努力義務とする改正子どもの貧困対策推進法が成立しました。学習支援や子ども食堂など、民間の取り組みも進んでいます。

子どもの機会を奪う

 格差はそれ自体問題ですが、とりわけ子どもの格差は機会の平等を奪うことになり、子どもの心と体を深く傷つけます。

 人生の出発点である子どもには可能な限り機会が均等に与えられなければならないというのは、民主主義社会を維持するうえでの基本的な前提です。

 萩生田光一文部科学相の英語民間試験をめぐる「身の丈」発言は、子どもの貧困と格差が固定することを認めるような発言でした。政治の役割を基本的な部分で放棄したものだと言えるでしょう。(政治プレミア編集部)

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