編集部のまとめ

格差への「鈍感さ」問われた 英語民間試験延期

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大学入学共通テストの英語民間試験導入見送りに関する記者会見で質問に答える萩生田光一文部科学相=東京都千代田区で2019年11月1日、滝川大貴撮影
大学入学共通テストの英語民間試験導入見送りに関する記者会見で質問に答える萩生田光一文部科学相=東京都千代田区で2019年11月1日、滝川大貴撮影

 <「身の丈」?富裕層に有利? 英語民間試験強行すべきか ご意見募集>にたくさんのご意見をいただき、ありがとうございました。

 10月30日によびかけの記事を掲載後、11月1日に政府は批判に屈する形で英語民間試験の延期を決めました。このため1日に中間まとめの記事<高校生「説明不足、不公平、不安、信用できない」>を掲載しました。

 あらためてみなさんの意見をまとめたいと思います。

「身の丈」発言に強い批判

 「杉澤あい」さんは民間試験の導入には賛成としながら、萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言を厳しく批判します。

 「子供の置かれた環境は子供自身が選べないものです。それを『そういうものだ』と教育を担う行政のトップが発言する。国民の為に国を良くしていこうという意志を微塵も感じません」と怒っています。

 「テーマ」さんは

 「格差はあって当たり前という意見がありますが、個人が言うのと、国がそれを容認する政策を取るのでは全く違います。国がやるべきことは、親の経済力や育った環境によって子供の詳細が左右されている現状を是正して、全国どこでも優れた教育を受けられる状態に持っていくことではないか」と書いてくれました。

 「すずきかおり」さんは

 「経済的、地理的環境は受験生が現実に努力してどうにかなるものではありません。文科省はこれを改善するどころか、今回の改革でさらにハンディを広げようとしています。経済的、地理的に恵まれた人たちによる『知識の独占』をもたらします。それはその後の人生における『可能性の独占』でもあります」と指摘します。

格差をなくす意識があるのか

 「テーマ」さんや「すずきかおり」さんのおっしゃることは本当にその通りだと思います。現実には格差はあります。しかし、それを肯定してしまっては政治がなんのためにあるのかわからなくなります。

 とりわけ深刻なのは、子どもの教育に関わる問題だからです。「杉澤あい」さんが自分のことを踏まえておっしゃるように、自分では選べない環境によって起きる不利が当然だとされれば、子どもは希望を失います。

 「恩地いづみ」さんも

 「教育における格差が経済格差の再生産になっている現状を考えると、格差是正の方策こそ考慮されるべき」と指摘します。

「生きづらい」

 英語民間試験についての意見募集でしたが、日本社会の将来を懸念する声も寄せられました。

 「むとうちづる」さんは

 「どうしたらこれから日本を担う若者を育てていけば良いのかをしっかりと考えて欲しい。受験料も高い、入学したら奨学金をと言うが利息も付き奨学金を支払うために結婚も出来ない若者が少なからずいる事もしっかり考えて欲しい」と言います。

 「水谷はるみ」さんは

 「小さなころから塾通いできるような家庭が絶対有利。母である私は子供の前では自信をもっているように『前向き』にみせているけど心の中では生きづらい、助けてって叫んでます」と寄せてくれました。

 批判を受けて民間試験導入を延期したのは良いことです。しかし、萩生田氏はこうした声を受け止めているのでしょうか。もし政権が、あるいは政治家が、格差に鈍感だとするならば、それはとても恐ろしいことです。(政治プレミア編集部)

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