「黄信号」の子どもの貧困についてご意見を募集し、多くのコメントをいただいたことに感謝します。
「武蔵」さんの「工場の『安全第一』では、一件の労働災害事故には、その30倍の事故寸前の状態が起こっているし、300倍のヒヤリ・ハット事故が潜在しているとします」とのご指摘、「りゆ」さんの「一番可愛くて綺麗な下着」を経済環境の厳しい子に持って行ってあげた53年前の話、印象的でした。ありがとうございました。
総じて、学校などにおける相談機能の強化、個別アプローチ(「アウトリーチ」)の強化を求める意見が多かったと感じました。その重要性には、私も強く同意します。
同時に「赤信号」対応をやってきた私の経験では、役所も福祉専門職も何十年間にわたって何万回も繰り返してきたフレーズがあって、それを乗り越えるアプローチが必要だと感じてきました。それは「なんでもっと早く来ないのか」です。ずっとそう言ってきました。しかし、何万回言っても人々は早く来るようにはならない。個別相談窓口というのは、やはり「そういう場所」なのだと思います。
だから、黄信号の子たち向けには「青信号の顔をして行ける場所」が必要です。行っても「…
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湯浅誠
社会活動家
1969年生まれ。内閣府参与、法政大教授などを歴任。東京大特任教授、NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえ理事長。