3分でわかる政治の基礎知識

安倍首相と文大統領の10分「座った」と公表した韓国

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ASEAN首脳会談に先立ち、ホテルの一角で懇談する安倍晋三首相(左から2人目)と文在寅大統領(同3人目)=2019年11月14日、韓国大統領府提供
ASEAN首脳会談に先立ち、ホテルの一角で懇談する安倍晋三首相(左から2人目)と文在寅大統領(同3人目)=2019年11月14日、韓国大統領府提供

 安倍晋三首相と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は11月4日、バンコク近郊で開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)の首脳会議に先立ち、控室で約10分間会話しました。

 外務省は「正式な首脳会談ではなかった」と説明し、外務省のホームページなどにも掲載していません。

「正式な首脳会談」?

 では正式な首脳会談とはなんでしょうか。わかりやすいのは首相が会談のために外国を訪問する、あるいは外国首脳が来日する場合です。

 1時間、2時間と長時間に及び、関係閣僚を交えた大勢での会議と、首脳2人と少数の関係者のみの会談の二段階に分かれることもあります。さらには両首脳と通訳だけの「テタテ」と呼ばれる時間がとられることもあります。

 会談後は両首脳が並んで記者会見することもありますし、合意文書や声明が発表されることもあります。

10分でも「正式」

 もちろん、すべての首脳会談がこのように行われるわけではありません。国際会議の場を利用して首脳同士が会談することは珍しくありません。時間はより短くなり、やり方もさまざまです。

 安倍首相は今年8月28~30日に横浜市で開かれた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)期間中に、首脳級要人40人以上と会談しました。1人あたりの時間は10分程度でしたが、これも正式な首脳会談です。

「接触」「立ち話」

 今回の安倍首相と文大統領の会話も約10分間ですが、毎日新聞は「会談した」とせず、「接触した」としました。事前に予定されておらず正式な会談ではないことをこう表現したのです。

 こうした形式は外交上は珍しいことではありません。

 18年8月にシンガポールであった東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合では河野太郎外相(当時)が、夕食会の会場で北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相と短時間話しました。この時も毎日新聞は「接触」「立ち話」と表現しました。

予定されていない「予定」

 今回の文大統領も、昨年の李外相も予定されていない点では同じです。しかし、実際には同じ場所に居合わせることは事前にわかっています。接触が生じる可能性は計算に入っています。

 そこから先は外交上の駆け引きになります。昨年の河野外相と李外相の接触は、日朝政府高官としては昨年6月に行われた米朝首脳会談後、…

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