新大学入学共通テストは白紙に戻せ 教育現場に募る不安

斎藤嘉隆・立憲民主党参院国対委員長代理
  • 文字
  • 印刷
斎藤嘉隆氏=高橋恵子撮影
斎藤嘉隆氏=高橋恵子撮影

 2020年度から始まる大学入学共通テストで活用が予定されていた民間事業者による英語試験。先日、萩生田光一文部科学相が24年度までの延期を発表した。

 この民間英語試験の活用については、国会審議の中でもたびたび取り上げられ、その導入についての慎重論が多く出ていた。私がこの問題の大きさを強く認識したのは今年の夏、友人である公立高校校長からの1本の電話がきっかけだ。「『多大な金銭的負担によって教育の機会均等が失われるのではないか。試験結果がどのように合否判定に活用されるのか。評価は公平か。実施日時や試験会場はどうなるのか』など、対象である高校2年生の間で不安の声が広がっている。今からでも導入を見合わせるべきだ」という教育現場からの切実な声であった。

 以来、文科省など関係者と協議を続けてきた。経済格差、地域格差などの課題については文科省内の有識者会議でも繰り返し指摘されていたと聞く。その後、不安の声が日増しに強くなり、当事者である高校生たちからもソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上などで多くの声があがっていった。国会でも、野党共同で「延期法案」を提出。萩生田大臣の「身の丈」発言も相まって、実施一辺倒で強気であった文科省も考えを転換した。

 しかし、残念ながら政府の対応は遅きに失したと言わざるを得ない。文科省は、試験会場を確保するなど準備をすすめてきた民間業者からの損害賠償訴訟のリスクにさらされることになるのではないか。

この記事は有料記事です。

残り1275文字(全文1896文字)

斎藤嘉隆

立憲民主党参院国対委員長代理

1963年生まれ。小学校教諭、愛知県教員組合執行委員長、連合愛知副会長などを経て2010参院選で初当選。民進党政調副会長などを歴任。愛知選挙区、当選2回。