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れいわが主張 消費税廃止の根拠「MMT」の魔術

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れいわ新選組の事務所開きが行われ、集まった支持者らの前であいさつする山本太郎代表(左)。=東京都港区で2019年9月17日、佐々木順一撮影
れいわ新選組の事務所開きが行われ、集まった支持者らの前であいさつする山本太郎代表(左)。=東京都港区で2019年9月17日、佐々木順一撮影

 「MMT」(近代金融理論)という耳慣れない言葉があります。政治プレミアでは昨年、自民党の西田昌司参院議員の寄稿<MMT批判に反論「政府の借金は国民の資産」>で紹介しました。

 最近ではれいわ新選組の山本太郎代表がこれに近い主張をしていることで話題になっています。

借金は問題ない

 この理論の核心部分は西田さんの寄稿のタイトルにもある「政府の借金は国民の資産」というところです。「一般的な家計とは異なり、国の財政では政府の債務はそのまま国民の資産になるため、自国通貨建てでの国の借金(国債発行)が増えることは問題ない」という主張です。

税収は減ってもよい

 この主張に基づくと財源は国債発行で作り出せばよいので、財源としての税の役割は軽視されることになります。代わりに税の再分配機能の重みが増します。

 このため、「消費税を廃止しても問題はない」「所得税、法人税の累進性を強化する」というれいわの主張が引き出されることになります。

 消費税については根強い賛成論があります。共同通信が10月5、6日に実施した全国電話世論調査によると、10月1日の10%への税率引き上げについて「評価しない」が49.4%だった一方で「評価する」も43.4%ありました。これは増加する社会保障費への不安から消費税が必要だと考える人がいるためとみられます。

前提が崩れる

 MMT理論をもとに、消費税は必要ない、社会保障費が不足する分は国債発行でまかなえばよい、と考える人が増えるとこれまでのさまざまな前提が崩れます。負担を増やさなくとも給付が受けられるなら、それにこしたことはありません。

 しかし、少子高齢化とは働く人が減り、医療や介護の費用がかかる人が増える問題です。パイが減っていくのに食べる人が増えるという構図は、変わりようがありません。

インフレの問題

 どんどん国債を発行せよ(借金せよ)というMMTでよく指摘されるのはインフレの問題です。このためMMTを主張する人の多くはインフレ率が一定の上限に達すれば国債発行をやめるとします。

 たとえばれいわは「国債発行は無限ではありません、リミットがあります。インフレ目標2%に到達するまで、です」としています。

 しかし、インフレ率をコントロールできるかはまた別の問題です。(政治プレミア編集部)

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