クトゥーゾフの窓から

北の島々は今(8)北方領土「試験ツアー」で見えた高い壁

大前仁・モスクワ特派員
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北方領土の色丹島では日本人観光客の来訪を求める声も聞かれる=色丹島で2017年8月、大前仁撮影
北方領土の色丹島では日本人観光客の来訪を求める声も聞かれる=色丹島で2017年8月、大前仁撮影

 日本とロシアの間では10月末から11月初旬にかけて、北方領土での共同経済活動の試験事業として、日本人観光客の一行が初めて現地を訪れた。日本政府は「課題を洗い出し、本格的な事業の実施につなげたい」(茂木敏充外相)と意気込むが、本格的な共同経済活動開始には多くの課題と障害が残されている。その高いハードルについて考えてみた。

 まずは共同経済活動に関する交渉の歴史を振り返ろう。共同経済活動は常にソ連やロシアから提案されてきた…

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大前仁

モスクワ特派員

1969年生まれ。1996年から6年半、日経アメリカ社でワシントン支局に勤務。毎日新聞社では2008年から13年まで1回目のモスクワ支局に勤務。