表現の自由に萎縮の陰

杉尾秀哉・立憲民主党機関紙・報道局長
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杉尾秀哉参院議員=高橋恵子撮影
杉尾秀哉参院議員=高橋恵子撮影

 あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」を巡り、いくつかの指摘がなされている。最も問題なのは、補助金の不交付決定に至る経緯の不透明さだ。誰がいつどこでどう決めたのか分からないという決定はありえない。

政府の顔色をうかがう危険

 参院予算委員会で福山哲郎参院議員が追及していたが、審議官が決裁してそれで終わりという話らしい。しかし文部科学省のトップである文科相や文化庁長官が一切関わっていないというのは考えにくく、曖昧だ。

 補助金交付を決定した際は専門の委員が審査をしているが、不交付を決める際は意見を聞いていない。仮に交付を取り消すとしても、専門委員会が審査をし、複数の専門家が芸術に値しないと判断したというなら話は分かる。しかし今回は役所の中で決定しただけだ。これでは完全に政権へのそんたくとしか思えない。今後補助金をもらって何か事業をするとき、政府の顔色をうかがうことになりかねない。

暴力に屈してはならない

 不自由展は、危害を加えるという脅迫に屈して一時中止された。しかし、展示が好ましい好…

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杉尾秀哉

立憲民主党機関紙・報道局長

1957年生まれ。TBSワシントン支局長、報道局社会部長などを経て2016年参院選で初当選。民進党国対副委員長、広報局副局長などを歴任。長野選挙区、当選1回。