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秋篠宮さまが公費支出に疑問 大嘗祭の秘儀と費用

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53歳の誕生日を前に記者会見をされる秋篠宮さまと紀子さま=東京都港区の秋篠宮邸で2018年11月22日、代表撮影
53歳の誕生日を前に記者会見をされる秋篠宮さまと紀子さま=東京都港区の秋篠宮邸で2018年11月22日、代表撮影

 大嘗祭(だいじょうさい)は五穀豊穣(ごこくほうじょう)と国民の安寧を祈る儀式です。毎年11月にある「新嘗祭(にいなめさい)」のうち、天皇が即位して最初に行う儀式を指します。天皇が一代に一度だけ行う重要な儀式とされます。

神と同じものを食べる

 中心的な儀式は「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」で、11月14日夕方から行われる「悠紀殿供饌(ゆきでんきょうせん)の儀」と15日未明に行われる「主基殿供饌(すきでんきょうせん)の儀」があります。

 あらかじめ選ばれた「斎田(さいでん)」で収穫された米などを天照大神(あまてらすおおみかみ)や神々に供え、天皇陛下も同じものをお食べになります。

 夜中に行われますが、電気は使われず、灯明だけです。儀式はこのために作られた大嘗宮の中で行われるので、実際にどのような所作がなされているかの詳細は明らかではありません。

強い宗教色

 このように宗教色の強い儀式であるため、内閣の助言と承認に基づいて行われる国事行為ではなく、皇室の行事として行われます。一方で国にとって重要な儀式であり公的な性格があるとして、費用は公費(宮廷費)から支出します。

 平成の大嘗祭の費用は総額約22億5000万円でした。政府は今回、祭場の敷地面積を減らすなど削減に努めたとしていますが、総額24億4300万円となりました。(※追記あり)

 参列者が招かれる祝宴「大饗(だいきょう)の儀」は11月16、18日に行われます。大嘗宮は同21日~12月8日に外観が一般公開された後、撤去されます。

完成した大嘗宮=東京都千代田区で2019年11月5日午後2時16分、本社ヘリから尾籠章裕撮影
完成した大嘗宮=東京都千代田区で2019年11月5日午後2時16分、本社ヘリから尾籠章裕撮影

「身の丈に合った」

 秋篠宮さまは昨年11月の誕生日を前にした記者会見で、「宗教色が強いもので、国費で賄うことが適当かどうか」などと述べられ、天皇の私的生活費にあたる「内廷費」から支出されるべきだという考えを示しました。

 秋篠宮さまの発言は憲法に定められた政教分離の原則との関係を指摘したものですが、「身の丈に合った儀式にすれば、皇室の行事として本来の姿ではないか」とも述べており、大嘗祭をより簡素なものにすべきだという趣旨もこめられています。

 大嘗宮は明治以降に肥大化した歴史があります。そのためだけに作る「無駄遣い」をあえてすることで、尊さを演出する必要があったのでしょう。

 明治、大正、昭和天皇の即位の時ならいざしらず、象徴として親しまれている今の天皇家が、いまさらそのような権威付けを必要としているのかは疑問です。(政治プレミア編集部)

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※11月15日追記

 14日に掲載した際には、昨年12月に宮内庁が総額を27億1900万円と発表したことに基づき、「政府は今回、祭場の敷地面積を減らすなど削減に努めたとしていますが、27億1900万円と約2割増えました」としていました。

 宮内庁の現在の見通しでは総額は24億4300万円となっています。このため訂正します。