
来年度の桜を見る会の中止は驚いた。安倍晋三首相の都合で招待者を増やしながら、自分の身が危ういとなると行事そのものを中止する。徹頭徹尾私物化していたことの証明だ。
年末の予算編成に向けて、桜を見る会の予算が焦点になるところだった。計上すれば通常国会の予算委員会で説明を求められる。追及の手を封じたかったのだろうが、幕引きは許さない。
来年度分として要求された5700万円は、これまでの実績を踏まえた額だったという。中止するということは、これまでの実態に問題があったと認めたことになる。首相は国会に出てきて自分自身で説明し、膿(うみ)を出し切るべきだ。
虚偽答弁?後援会行事?
参院予算委員会の私の質問に、首相は招待に関与していないと答弁したが、その5日後に菅義偉官房長官が首相が推薦できる仕組みがあったと認めている。山口県下関市の安倍事務所が桜を見る会のご案内という文書を出したことも分かっている。首相が関与していないはずがなく、これは虚偽答弁だ。
さらに問題なのは、会の趣旨が変わってきている点だ。功労・功績を認められて省庁から推薦される正規のルート以外で、一体どれだけ招待してきたのか。安倍首相になってから後援会の人や芸能人が増えていると聞く。それは「官邸枠」ではないのか。首相が駆け回って後援会の皆さんと写真を撮り、芸能人を増やして後援会員を喜ばせる。まるで「後援会祭り」だ。
下関の参加者は、安倍事務所を通じて旅行を申し込んでおり、桜を見る会はさながら後援会旅行のメイン企画だ。税金を使った公的行事を後援会行事に作り替えていないか。
税金でやればセーフなのか
首相の「後援会祭り」で、無料でお酒を出し、食べ物を出し、お土産も渡していたら、公職選挙法上問題だと思う。税金だからセーフというなら、政治の信頼は根底から揺らぐ。納税者も許さないだろう。
また、税金を使ったおもてなしが許される政党…
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