五輪マラソン札幌移転 IOCは情報公開で不満払拭せよ

朝日健太郎・参院議員
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朝日健太郎氏=高橋恵子撮影
朝日健太郎氏=高橋恵子撮影

 10月16日に国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪のマラソンと競歩の会場変更を公表した直後は、涼しいであろう札幌への変更に瞬間的に賛成した自分がいた。

 熱中症の危険性が叫ばれ、国民にも危機意識が定着してきている中で、より涼しいところがいいというのは自然の反応だった。

 しかし、次にわいてきたのは「なぜこのタイミングなのか」という疑問だ。いよいよ準備も総仕上げというフェーズに入っていたが、足元から崩れたのは正直ショックだった。

都民の気持ち聞き葛藤

 選手の安心安全の視点はもちろん重要だ。

 一方で、スポーツは「する」「見る」「支える」人たちの関わりがあって初めて成立する。急な変更は、レース展開を想定してトレーニングしてきた選手の混乱も招くし、見る、支える人たちも戸惑う。

 東京選挙区の議員として花形競技のマラソンを楽しみにしていた都民の皆さんの残念がる声を多く聞いた。する、見る、支える観点からも、一方的に変更を通告したIOCのやり方はスポーツ本来の輝きを損ないかねない対応だったと思う。

 IOCとしては持続可能なオリンピック・パラリンピック(オリパラ)を考え、大なたを振るったのだろう。いくつかの課題は抱えても、やりきって次につなげることを優先したのだ。

 長期的に考えればこのような局所的な介入が有効だとの見方もあるが、東京は暑さ対策をやらせたら世界一というくらいの自負を持って準備をしてきた。ドーハで行われた陸上世界選手権が引き合いに出されたが、それだけで判断されたなら納得できない気持ちも残る。

窮屈なオリパラなぜ

 そもそも五輪は7~8月というタイトな期間に設定されている。開催都市はこの条件を踏まえて招致活動を行わなければならず、だからこそ東京は暑さ対策を重視した。

 2024年の開催が決まっているパリも決して涼しいわけではない。なぜオリパラがこんなに窮屈な位置づけをされなければならな…

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朝日健太郎

参院議員

1975年生まれ。男子バレーボール日本代表を経て2002年にビーチバレーに転向。北京、ロンドン五輪に出場し、12年に選手引退。16年参院初当選。東京選挙区、当選1回。自民党無派閥。