3分でわかる政治の基礎知識

「10兆円をくだらない…」政権の切り札 補正予算

  • 文字
  • 印刷
自民党の二階俊博幹事長=川田雅浩撮影
自民党の二階俊博幹事長=川田雅浩撮影

 自民党の二階俊博幹事長が2019年度補正予算について「金額はいろいろ検討しているが、10兆円を下らない程度が必要だ」と発言しました。これまで政府内では4兆~5兆円規模とする案が出ていました。

不測の事態に対応

 補正予算は、予算成立後に当初の予算では対応できない場合に組むものです。今回の台風19号による大規模災害は事前には予測できず、かつ多額の支出を要します。補正予算が必要とされる典型的な例です。

 ただし、実際には補正予算はほぼ毎年、組まれています。災害のような不測の事態だけではなく、景気の変動に対応するための経済対策としても利用されているからです。

復旧と経済対策

 二階氏は巨額の補正予算が必要な理由について「復旧・復興や国土強靱(きょうじん)化の観点から重要だ。経済の先行きが不透明感を増している中で、大型の補正予算でなければ国民の不安を拭えない」と言っています。

 「国土強靱化」は二階氏が以前から提唱している考えで災害に強い社会作りのことです。防災インフラ整備が必要とされるため、公共事業費が増大すると指摘されています。

 また、「経済の先行きが不透明感を増している」という部分は、消費税率の引き上げに伴う経済対策が念頭にあります。

安倍首相への助け舟?

 「国民の不安を拭えない」というところもポイントです。野党には予算の編成はできません。政府・与党が得点をあげる大きなチャンスです。政権基盤の強化という点から見るならば、額は大きいほどよいのです。

 二階氏の発言は、桜を見る会などで批判を受け苦境にある安倍晋三首相への助け舟とみることもできます。

 補正予算案は来年1月に開かれる通常国会の冒頭で審議される見通しです。このため野党議員からは「巨額の補正予算成立を『手土産』に衆院を解散するのではないか」という疑心暗鬼の声も出ています。(政治プレミア編集部)

 <政治プレミアトップページはこちら