
甘利氏「積極的容認ではない」
自民党の甘利明税制調査会長は「男系を中心に順位を付け、最終的選択としては女系も容認すべきだ」と発言しました。
甘利氏は安倍晋三首相と近く、経済産業相などを歴任し、党の政策責任者である政調会長も経験しています。
甘利氏は女系天皇について「最終的選択」と述べており、男系男子維持が基本であることが前提ですが、自民党幹部が「女系天皇容認」を明言するのは異例です。
甘利氏はその後、記者団に「積極的に女系を容認したわけではない。存続の危機に陥ったときに備えていろいろな議論をしておくべきだ、との意味だ」と説明しました。
母方から
そもそも「女系天皇」とはなんでしょうか。これまでも記事<愛子さながなられる?女性天皇とは>などで説明してきましたが、わかりにくい概念です。
一言で言えば母方から天皇の血筋を引く天皇のことです。
天皇の娘から生まれた子どもが天皇になれば「女系天皇」です。子ども本人の性別は関係ありません。「女系の男性天皇」も「女系の女性天皇」もありえます。
一方「男系天皇」は父方から天皇の血筋を引く天皇のことです。これも本人の性別は関係ありません。仮に愛子さまが天皇になれば「男系の女性天皇」ということになります。
「女性天皇」が本人の性別によって区別されるものであるのに対し、「女系天皇」「男系天皇」は本人が父方か母方のいずれから天皇の血筋を引いているかによって区別される概念です。
これまでの天皇は「男系」
日本の歴史ではこれまでの天皇はすべて男系とされています。「男系の男性天皇」や「男系の女性天皇」はいましたが、女系は男女を問わず前例がありません。
このため、保守派には慎重論が強く、安倍首相は国会などで「古来、男系継承が例外なく行われたことの重要性を踏まえ、慎重に検討していきたい」と述べています。
小泉内閣の報告書では「女系」を容認
小泉内閣のもとで2005年に有識者がまとめた報告書は、女性天皇と女系天皇を容認するものでした。
報告書はその理由として「今後、男系男子の皇位継承資格者が各世代において存在し、皇位が安定的に継承されていくことは極めて困難になっていると判断せざるを得ない」「男系による継承を貫こうとすることは、最も基本的な伝統としての世襲そのものを危うくする結果をもたらす」としています。(政治プレミア編集部)
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