3分でわかる政治の基礎知識

年3000人の女性が死亡、子宮頸がん ワクチン「勧奨」されないのは?

  • 文字
  • 印刷
厚生労働省、環境省の看板。中央合同庁舎第5号館で=東京都千代田区霞が関
厚生労働省、環境省の看板。中央合同庁舎第5号館で=東京都千代田区霞が関

20~40代の女性に多い

 子宮頸(けい)がんは年約1万人の女性が発症し、年約3000人の女性が死亡しています。

 若い女性に多いことが特徴で、増加傾向にあります。20~30代女性では罹患(りかん)率も死亡率も増えています。40歳までの女性ではがん死亡の2位になっています。

ウイルスが原因

 ほとんどの子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。ワクチンが開発されており、日本では定期接種に指定されています。小学6年~高校1年に相当する年齢の女子は計3回の接種を無料で受けられます。

 ワクチンの効果持続期間が20年以上と推定されているため、10代での接種がもっとも効果的だとされています。

接種に伴い運動障害などの症状

 日本では2013年4月からHPVワクチンの定期接種が開始されました。しかし、接種に伴う全身の痛みや運動障害などの症状が多数報告され、13年6月に厚生労働省の審議会で「適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではない」とされました。

 積極的な接種呼びかけが中止されて以降の接種率は急落しました。

安全性に不安

 接種後に起きた症状については各地で薬害訴訟が提起されています。

 国も対策に取り組んでおり、医療費の助成や相談窓口の設置などを行っています。また協力医療機関を各都道府県に一つ以上整備しています。

 厚労省は、接種の安全性に不安がもたれていることを受け、HPVワクチンに関する情報提供が重要だとしています。

低いがん検診受診率

 ワクチン接種とは別に、がん検診の受診率が低いという問題もあります。20代女性の7割は子宮がんの定期検診を受けていないとする調査もあります。ワクチン接種をしたとしても、あわせてがん検診を受診することが重要です。