西田亮介さんのまとめ

就職氷河期「自己責任」ではない 耐え難い閉塞感と社会リスク

西田亮介・東京工業大学准教授
  • 文字
  • 印刷
西田亮介さん
西田亮介さん

 塩村文夏さんの寄稿「後からわかった『就職氷河期』のつらさ 非正規問題は深刻だ」に対する先の呼びかけに、多くの切実な声が寄せられた。今も根本的な解決が進まず、しかし忘れられがちな氷河期世代の置かれた状況の難しさが痛切に伝わってくるコメントが少なくなかった。非正規雇用として困難な立場に置かれたとおぼしき方々のコメントも目立った。

 ロスヲさんは就活から契約社員として働く現在に至るまで、一貫して厳しい立場に立たされてきたという。人手不足といわれる昨今でありながら、年齢が上がるにつれて、書類選考さえも通り難くなってきたという。ごきげんマウスさんもそうだ。「人手不足」というが、まったく体感できないという。雇用から疎外されているとさえ感じられるようだ。

 氷河期末期世代に属するという簞笥さんに、修士課程に進んでいれば売り手市場になっていたというある種の予測困難な事実が追い打ちをかける。そのことが社会に対する無気力や「時代遅れ」の感覚を招来するという。

 「早く(遅く)生まれていたら、違って…

この記事は有料記事です。

残り1008文字(全文1451文字)

西田亮介

東京工業大学准教授

1983年生まれ。博士(政策・メディア)。専門は社会学、公共政策学。著書に「ネット選挙--解禁がもたらす日本社会の変容」「情報武装する政治」。ツイッター @Ryosuke_Nishida