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出すべきか、出さざるべきか、内閣不信任案の微妙な駆け引き

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衆院の大島理森議長(左端)に内閣不信任決議案を提出する立憲民主党の辻元清美国対委員長(左から2人目)ら野党5党派の国対委員長たち=東京都千代田区の国会内で2019年6月25日、川田雅浩撮影
衆院の大島理森議長(左端)に内閣不信任決議案を提出する立憲民主党の辻元清美国対委員長(左から2人目)ら野党5党派の国対委員長たち=東京都千代田区の国会内で2019年6月25日、川田雅浩撮影

 国会の会期末になるとよく、野党による内閣不信任決議案の提出がニュースになります。どういう意味があるのでしょうか。

野党の主張をアピールする場

 衆院で内閣不信任決議案が可決された場合は、内閣は衆院を解散するか、総辞職しなければなりません。「内閣は議会の信任を要する」という議院内閣制の基本に基づいた決まりです。

 衆院の多数で選ばれた首相が組閣しているわけですから、与党から欠席や不信任案への賛成などの造反が出ない限り、通常は可決されることはありません。もちろん過去には可決された例が何度もありますが、現在の国会は、いまのところそのような状況にはありません。

 内閣不信任ですから、個別の法案だけではなく政治姿勢も含めて内閣全体を問題にすることになります。野党が現在の内閣を認めないということを示す意味があります。

 内閣不信任決議案には理由が付され、討論も行われるので野党の主張をアピールする場にもなります。

「年中行事」でいいのか

 一方で、総選挙で多数を得た党によって構成される内閣に不信任を突きつけることは重いことです。内閣不信任決議案の提出が会期末になるのは、法案処理が山場を越え、野党の見せ場がなくなるからという側面もあります。野党内にも「可決される見込みがないのに、会期末に年中行事のように出すのはよくない」という意見があります。

解散の引き金?

 もう一つは衆院解散との関係があります。野党にとって政権交代のチャンスである解散は、建前ではいつでも歓迎すべきですが、実際にはさまざまな思惑があります。

 内閣不信任決議案が可決されなくとも、野党が提出したことをもって首相が衆院を解散する可能性がないわけではありません。野党にしてみれば、首相にとって有利な時期に解散に踏み切るきっかけを与えてしまうのではないか、ということも考慮しなくてはなりません。

 主要な野党の対応がバラバラでは迫力がなくなるため、野党間のすりあわせも必要になります。(政治プレミア編集部)

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