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世論調査のマジック 選挙の情勢調査「世論調査」ではない?

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世論調査の結果を伝える毎日新聞朝刊(2019年10月28日付)
世論調査の結果を伝える毎日新聞朝刊(2019年10月28日付)

 「世論調査」と聞いてみなさんが思い浮かべるものの一つに、衆院選や参院選の際に新聞の1面に出る「自民過半数の勢い」などの見だしがあると思います。

 しかし選挙の際に実施するこの調査は、新聞社などが毎月実施している世論調査とはいろいろと性格が異なる点があります。どう違うか説明したいと思います。

サンプル数が全く違う

 毎日新聞はほぼ毎月、定例の世論調査を実施しています。これは全国が対象でサンプル数は約1000です。コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で行われます。統計的に十分信頼性がある方法です。

 一方で衆院選や参院選の際の調査ははるかにサンプル数が多くなります。

 理由は簡単です。どの候補に投票するかを聞くため、選挙区ごとの調査が必要になることから母数が小さくなり、統計的に信頼できる数字を得るために必要なサンプル数が増えるからです。

 直近の全国規模の国政選挙である2019年の参院選の際に行った7月4、5日の調査では、選挙区については1選挙区当たりの回収目標サンプル数を▽改選数1の32選挙区=500件▽改選数2の4選挙区=750件▽改選数3または4の8選挙区=1000件▽改選数6の東京選挙区=1200件――の計2万8200件に設定し、2万8449件の有効回答を得ました。

 比例代表は計3000件を目標とし、計3391件の有効回答を得ました。

「情勢調査」と表現

 目的も異なります。定例の世論調査は世論を探るものですが、国政選挙の際の調査はどの党、あるいはどの候補者に投票するかを聞くことが中心的な目的です。このため、毎日新聞では「情勢調査」という表現を使います。

「出口調査」もある

 そして投票日の午後8時を過ぎた瞬間に当選確実が出る根拠となる調査は「出口調査」といって、これもまた別の調査です。

 調査員から聞かれた経験がある方も多いのではないかと思いますが、統計的な誤差が出ないよう選定した投票所の出口に調査員を配置し、投票を終えた有権者にどの候補に投票したかを直接聞いています。出てきた人のうち、何人ごとに聞くかなどの細かい決まりがあり、偏りが起きないような方法で実施しています。(政治プレミア編集部)