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北朝鮮弾道ミサイル迎撃「イージス・アショア」秋田への配備に暗雲

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米ハワイ州カウアイ島にあるイージス・アショアの試験施設。建物右上部の壁にレーダーの平板アンテナが取り付けられ、上部に管制や通信用のアンテナがある=2018年1月10日、秋山信一撮影
米ハワイ州カウアイ島にあるイージス・アショアの試験施設。建物右上部の壁にレーダーの平板アンテナが取り付けられ、上部に管制や通信用のアンテナがある=2018年1月10日、秋山信一撮影

 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)に配備する計画の雲行きが怪しくなっています。

県知事「非常に無理がある」

 秋田県の佐竹敬久知事は県議会で「新屋については非常に無理があるという前提で(河野太郎防衛相に)申し入れをする」と表明しました。

 新屋演習場については調査データのミスが相次ぎ、住民説明会で職員が居眠りをするなどの不祥事もありました。先の参院選秋田選挙区ではイージス・アショアの配備計画が争点になり、反対を掲げた野党統一候補が勝利しました。

秋田市長「常識的に除外」

 穂積志・秋田市長も市議会で「常識的に新屋は配備候補地から除外される」と述べました。

 佐竹知事の「非常に無理がある」という発言は地元の厳しい雰囲気を反映したものです。

政府は「ゼロベース」で検討

 政府は新屋演習場だけでなく青森県の弘前演習場なども含めた20カ所で再調査を行っています。河野防衛相は記者会見で「しっかりと再調査をして、ゼロベースで検討していきたい」と表明しました。

 菅義偉官房長官はイージス・アショアの配備先について、住宅地との距離を考慮して候補地を評価するよう防衛省に指示したとしています。新屋演習場は東側が住宅地に隣接しており、佐竹知事は「住宅地に非常に近い」と懸念を示しています。

 菅官房長官は記者会見で「なんらかの方針や検討の方向性を決定した事実はなく、新屋演習場への配備を断念したという事実もない」と説明しています。

北朝鮮の脅威に対処

 イージス・アショアは北朝鮮の弾道ミサイル迎撃が主な目的です。

 昨年7月に防衛省が公表した試算では、2基の配備後30年間の運用経費は導入費用も含めて約4664億円にのぼるとされています。

 F35などの主力戦闘機にも同じことが言えますが、ただ装備を購入するだけでは十分な効果は発揮できません。これほどの費用をかけるならば、日本の防衛構想全体のなかでどう位置づけていくのか、しっかり議論することが必要です。(政治プレミア編集部)

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