イベント「新聞で#国民する日」英語民間試験でわかった「政策で人生が左右される」

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NO YOUTH NO JAPANの呼びかけで集まったイベントで資料の新聞記事を読む参加者たち=東京都千代田区で2019年12月18日、宮武祐希撮影
NO YOUTH NO JAPANの呼びかけで集まったイベントで資料の新聞記事を読む参加者たち=東京都千代田区で2019年12月18日、宮武祐希撮影

 政治のあり方などを新聞を読んで考えようというトークイベント「新聞で#国民する日」が18日、東京都千代田区の毎日メディアカフェであった。来年度から始まる大学入学共通テストで予定されていた英語民間試験の導入が見送られたことをテーマに「政治家は自分たちの政策が受験生の人生を変えてしまうという自覚を持ってほしい」「変えるべきなのは入試制度ではなく、教育の中身だ」など活発な議論を交わした。

 若い世代向けにインスタグラムで政治の情報を発信する「NO YOUTH NO JAPAN」(NYNJ)と毎日新聞の共催。高校生や学生、社会人の10~30代の約15人が参加した。

 イベントでは、毎日新聞の高塚保政治部長が新聞記事を基に英語民間試験導入を巡る経緯を解説。導入が提言された2013年当時から問題点が指摘されていたことなどを説明すると、「そんな前から議論していたことを知らなかった」「何年も議論していたのに、なぜ穴だらけの制度のままやろうとしたのか」などと驚く声があがった。

 参加者が新聞記事を読んだ後に行ったディスカッションでは「民間試験といってもそれぞれでタイプが全く違い、公平な比較ができるとは思えない」「来年度から受験制度が変わってしまうので、周りには『絶対に合格するため志望校のランクを落とした』という人もいた」などの意見が出た。

NO YOUTH NO JAPANの呼びかけで集まったイベントで意見を述べあう参加者たち=東京都千代田区で2019年12月18日、宮武祐希撮影
NO YOUTH NO JAPANの呼びかけで集まったイベントで意見を述べあう参加者たち=東京都千代田区で2019年12月18日、宮武祐希撮影

 また「入試制度を変えても、そのテストで点数をとるよう対策が変わるだけ。英語を話す技能などを向上させるには、どう教えていくかが重要だ」として、試験制度を変えることで能力を伸ばそうとした政府の発想の限界を指摘する参加者もいた。

 萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言については「格差に鈍感だ」「経済格差が教育格差に影響することを考えていないのではないか」などの批判が相次ぎ、「この発言をきっかけにSNSで反発が広がり、見送りにつながった。萩生田さんに感謝したい」と皮肉る声もあった。

 議論終了後には「もっと政治に関心を持って、いろいろな問題をキャッチして考えないといけない」「自分たちには政治家を選ぶ権利を与えられている。若い自分たちの世代でも政治を考える輪を広げていきたい」といった感想が聞かれた。

車座座談会で話すNO YOUTH NO JAPAN代表の能條桃子さん(右)ら参加者たち=東京都千代田区で2019年12月18日、宮武祐希撮影
車座座談会で話すNO YOUTH NO JAPAN代表の能條桃子さん(右)ら参加者たち=東京都千代田区で2019年12月18日、宮武祐希撮影

 NYNJ代表の能條桃子さん(慶応大4年)は「オンラインの世界を抜けて、顔を見合わせてディスカッションできたのはとても良い機会だった」と話している。