大災害の時代 ダムは万能ではない 「防災省」が必要だ

近藤昭一・元副環境相
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近藤昭一氏=須藤孝撮影
近藤昭一氏=須藤孝撮影

 ここ数年の災害の大規模化は、やはり温暖化の影響だと思う。国会でもこれまでたびたび「きちんと取り組まなければならない」と主張してきた。

 地球温暖化の問題はこれまで激しい論争が行われてきた。しかし、100%に近い形で科学的に証明されてきている。いまや多くの人がその影響を実感するようにまでなってしまった。

 温暖化対策の遅れは、温室効果ガスの最大の排出国である米中の取り組みの遅れにもよる。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」にようやく米国も中国も参加したと思ったら、米国は離脱を通告した。

 どうしても環境よりもまず経済発展が先に来る。米国でもハリケーンの大型化による被害が問題になり、オバマ政権が取り組んだのに、トランプ大統領が逆戻りさせてしまった。スウェーデンの環境活動家であるグレタさんが大人たちに怒るのも無理はない。我々もその怒りを受け止めて、どう方向転換ができるかが問われている。

 トランプ氏はまさしく「自国ファースト」で、他国を信じていない。「他国がやらないのに自国がやれば損をする」という感覚だ。自国だけ経済発展すればよい、という誤った考え方だ。

 先日、私が副会長を務める超党派の「公共事業チェック議員の会」メンバーも含む有志議員で、台風19号による災害で堤防が決壊した千曲川(長野市)を視察した。その時に感じたのは堤防などのハードも重要だが、避難対策などのソフトも重要だということだ。

 災害が相次いでいるなかで「やはりダムは必要だ」と言う人がいる。我々もダムを全否定しているわけではない。しかし昨年の西日本豪雨災害などではっきりしてきたことは、ダムは万能ではないということだ。ダムの貯水量には一定の限界があり、緊急放流をせざるをえなくなれば下流で浸水被害が起こる危険がある。

 であればダムだけではなく堤防をどうするか、河川のしゅんせつをどうするか、ダムだけではなく全体でハードをどう運用して…

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近藤昭一

元副環境相

1958年生まれ。96年衆院初当選。衆院総務委員長、民進党副代表、立憲民主党副代表などを歴任。立憲フォーラム代表。原発ゼロの会共同代表。衆院愛知3区、当選8回。立憲民主党。