子年に聞く

5月のロシア戦勝記念日 安倍首相は訪露で北方領土問題に道筋を

鈴木宗男・元北海道・沖縄開発庁長官
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鈴木宗男氏=藤井達也撮影
鈴木宗男氏=藤井達也撮影

 2018年11月のシンガポールでの日露首脳会談で安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が「1956年の日ソ共同宣言を基礎にして平和条約締結に向けて交渉を加速する」ことで合意した。

 領土問題の解決方法はこれしかない。20年は北方領土交渉にとって勝負の年になる。

安倍首相とプーチン氏でしか解決できない

 旧ソ連、ロシアの最高指導者で56年宣言の有効性を認めたのはプーチン氏が初めてだ。

 00年の来日時に私が会った際に「56年宣言の有効性を文書にしてほしい」とお願いした。その時にプーチン氏は「まだ自分は大統領になって半年だ。記者会見では言うが、文書にするのは次の首脳会談にしたい」と言った。

 プーチン氏は約束を守り、01年の森喜朗首相(当時)とのイルクーツク声明で有効性を認めた。

 森氏は歯舞群島、色丹島については日本に引き渡す協議をする、国後、択捉両島についてはどちらに帰属するかを協議するいわゆる並行協議、車の両輪論を提案した。

 しかし、その直後に森内閣は退陣し、小泉内閣になって2年目の02年に川口順子外相(当時)が提案を取り下げてしまった。それから日露関係は空白の10年に入る。今の日露関係は第2次安倍内閣が発足した12年から始まる。だから安倍首相とプーチン氏の間でしか北方領土問題は解決できない。

 日露が平和条約を結ぶうえで残っているのは国境画定の問題だけだ。最後はトップリーダーの決断だ。プーチン氏は56年宣言の有効性を認めるというスタンスで一貫している。ぶれないプーチン氏は信頼に足るリーダーだ。その意味でも現在の首脳同士でしか解決できない。

20年の早期に首脳会談を

 領土問題が解決せずに困るのはロシアではなく日本だ。元島民のみなさんは終戦後には約1万7000人おられた。今は6000人弱で、平均年齢は84歳だ。元島民の一番の願いは自由に島に行きたいということだ。そして2番目は1島でも2島で…

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鈴木宗男

元北海道・沖縄開発庁長官

1948年生まれ。1983年衆院初当選、2019年参院初当選。衆院外務委員長、防衛政務次官、外務政務次官、北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官、内閣官房副長官などを歴任した。衆院当選8回、参院当選1回。参院比例代表。日本維新の会。