Social Good Opinion

サステナブルなカルチャーをZ世代から発信する

菅原実桜・サステナブル・コーディネーター
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立命館大学3回生の菅原実桜さん=東京都千代田区で2019年11月25日午前10時25分、内藤絵美撮影
立命館大学3回生の菅原実桜さん=東京都千代田区で2019年11月25日午前10時25分、内藤絵美撮影

世界の注目を集める日本

 令和に突入し、海洋プラスチックが主要議題として取り上げられた主要20カ国・地域(G20)首脳会議が、大阪で昨年6月に開催され、9月には小泉進次郎氏が環境相に就任、12月には国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で温暖化対策に消極的な国に贈られる「化石賞」に選ばれるなど「環境問題」の側面から日本が世界から大きく注目を受けています。そんな国に住む私たち自身も「100年に1度」といわれるほどの大型台風が毎年のように直撃するようになり、例年よりも温暖な冬に「環境問題」や「気候危機」について考えることも増えたのではないでしょうか。

社説・環境相のCOP演説 「脱石炭」に背向けるのか

環境問題と私たちのつながり

 私が環境問題について考え出したのは2年前、インターンシップで訪れたカンボジアで壮大なごみ山とそこでゴミを拾い生活をする方々にお会いしたのがきっかけでした。

カンボジア・シエムレアプにて2018年8月26日、筆者撮影
カンボジア・シエムレアプにて2018年8月26日、筆者撮影

 現地の方々にこのゴミ山はたった約半年分であること、そしてこのゴミの半分以上は観光客が出したゴミであることを聞いたとき、愕然(がくぜん)としました。観光客の一人であった私自身が無意識に行っていたペットボトル飲料を購入し、捨てるなどといった日本では当たり前とされる行動が環境にこのように悪影響を与えていると初めて実感した瞬間でした。

サーキュラー・エコノミー(循環型社会)への転換

 日本に帰国後、不必要なビニール袋をもらわない、マイボトルを持ち歩く、など小さなことから始めてみましたがどうも私一人だと全く変わりそうにない。そもそも人間の当たり前となっているゴミが出るものを作ること、使うことを悪であるとは言いがたい。それよりも資本主義の中で構築された、意図的に製品の寿命を短くしたり、使い捨てにしたりすることで、次の消費につなぐ社会システムをゴミの出ない循環型経済、サーキュラー・エコノミーへとシフトしていかなければならないと悟りました。

欧州はなぜ環境意識が高いと言われるのか

 2015年12月、欧州委員会は「サーキュラー・エコノミー・パッケージ」を発表し、続いてオランダ・アムステルダムやフィンランド・ヘルシンキでも具体的なロードマップが発表されたと知り、実際に欧州6カ国を現地調査。結果、欧州の環境意識の高さは環境問題をめぐる隣国との論争のすえ、公共部門が環境教育などといった政策に力を入れ、環境意識の高い国民の支持を得るために民間部門が対応するという成り立ちを感じました。

一人一人の「意思表示」が必要

 一方で日本は自然に恵まれた島国。現在に至るまで長い間経済発展を最重要視してきた結果、環境に対する公共部門の力はそれほど強いとはいえず、民間部門では価格低下競争が起き、多くの消費者は「環境に優しい」を「価格が高い」と認識するようになったのだと考えています。こうなれば、日本ではボトムアップ方式で声を上げマジョリティーを増やすことが効率的に社会改革を行うために必要であると考え「真面目なことを楽しくライフスタイルの中に取り組んでいく」を軸にイベントや登壇活動を行ってきました。

立命館大学大阪いばらきキャンパスにて、2020年1月9日、井上翔也さん撮影
立命館大学大阪いばらきキャンパスにて、2020年1月9日、井上翔也さん撮影

 最近ではブルゾンちえみさんが「肩書きにとらわれず、環境問題に注力する。」と宣言したように、かつては一部の”意識高い”人のみが議論するものとされていた問題が学生から著名人までが自分の1つの価値観や意思表示として世の中に発信する時代に大きく変わろうとしています。

 <ブルゾンちえみ、来年は環境問題に注力 肩書きにとらわれず「自分の心に従って…」

 「気候危機」は間違いなく地球に住む私たち一人一人の行動が集まって起こっている問題。そしてその害を被るのもまた私たちです。自分自身の行動を変え、一人一人が発信し、私たちから地球を守る文化をつくっていくことが、100年後も美しい地球で生活するために私たちZ世代がもっとも得意とする方法の一つなのではないでしょうか。

菅原実桜

サステナブル・コーディネーター

1999年生まれ。「サステナブル」と「ライフスタイル」を軸に環境問題をはじめとする社会課題に対するハードルを下げ、1人でも多くの人が自分ゴト化できるムーブメントを起こそうとイベントの企画・運営・登壇活動を行う。立命館大学政策科学部3年。