日米安保を問う

自国第一主義の米国 日本防衛にどう「巻き込む」か

小野寺五典・元防衛相
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小野寺五典氏=手塚耕一郎撮影
小野寺五典氏=手塚耕一郎撮影

 日米安全保障体制は、極東の安全保障の観点からスタートした。米ソ冷戦時代は、米国が安全保障を担う中で日本がどういう支援を米国にするかが基本だった。

 冷戦が終わり、北朝鮮の核の脅威が強まり、中国が軍事的に台頭してくると、今度は日本が紛争の当事者になる可能性が出てきた。

 北朝鮮は弾道ミサイル実験で具体的に日本の地名を挙げ、日本を攻撃するための訓練だと言っている。

 中国との関係でも、尖閣諸島を巡って日本が当事者として緊張感を持って対応している。米国が後ろ盾にならないと日本を守っていけないというのが現実だ。まさに大きな変化に直面している。

 さらに安全保障上の脅威は世界中に広がっている。例えば、日本の重要なエネルギーである石油のためには、中東から日本への海洋の安全な航行を保たなければならない。

 日本の周辺だけでなく、脅威がどこになるか分からない。テロの脅威も世界中にある。地域を限定という形ではなくて、日本に対する脅威にどう備えるか。こういった理由でできたのが、集団的自衛権の限定的行使を容認した安全保障関連法制だ。

 米国から有償軍事援助(FMS)で防衛装備品を購入するのは、別に米国の顔を立てるためではない。FMSで入ってくるのは、米国の非常に高度な世界最先端の防衛装備であり、日本は同盟国だからこそ購入できるものだ。自衛隊員が安全に任務を遂行するためにも世界最高水準の装備を持たせるべきだ。

 日本は専守防衛の考え方を取っている。攻撃されたときは「盾」の役割で防ぐ。そして繰り返し攻撃されると防ぎきれなくなるので、「矛」の役割を米軍が補うという防衛体制をとっている。しかし、米国では現在、「世界の警察官」の役割について、いろいろな議論があり、米国第一主義を掲げるトランプ米大統領も登場した。日本の立ち位置は、より難しくなっているのではないか。

 以前は日本が米国の戦争に巻き込まれるのではないかとの声…

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小野寺五典

元防衛相

1960年生まれ。宮城県職員などを経て97年衆院初当選。防衛相、自民党政調会長代理などを歴任。衆院宮城6区、当選7回。自民党岸田派。