自衛隊の中東派遣 既成事実化に潜む危険性

真山勇一・参院議員
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真山勇一氏=高橋恵子撮影
真山勇一氏=高橋恵子撮影

 米国とイランには長く続く対決の歴史がある。安倍晋三首相はイランにも米国にも行き、仲を取り持てたと思っているかもしれないが、そんなに単純なものではない。日本から自衛隊を派遣することが、火に油を注ぐことになるのではないかと心配している。

記者時代に見た中東の戦争

 私は日本テレビの記者時代に、イラン・イラク戦争を取材した。泊まっていたホテルにイラク軍の砲撃があり、慌てて地下室に逃げ込んだこともある。

 また、2001年9月11日の米同時多発テロの際は、ニューヨークの現場を取材した後すぐにアフガニスタンに飛んだ。国境が閉鎖されていたので、パキスタンのペシャワルという街に行き、山を越えて入国を試みた。しかし、山中で運悪くゲリラに遭遇し、ゲリラの基地に連行されてしまった。通訳を介して日本のテレビクルーだと説明し、なんとか解放されたが、覆面兵士に至近距離でカラシニコフを突きつけられ、とても恐ろしい思いをした。

 そのとき、ペシャワルに戻ったところで、通訳に「日本人と分かったから解放された。日本人は戦争をしないから」と聞かされた。日本が戦争をしない国だと世界に宣言してきたことはとても重要なことなのだ。

 しかし、安倍政権になって集団的自衛権の行使が容認され、世界のその見方は変わってきている。同盟国を助けるために戦争に参加する国になると見られる。逆に言えば見方が変わってきたからこそ、今回は慎重な判断を…

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真山勇一

参院議員

1944年生まれ。日本テレビでテヘラン駐在、ニューヨーク特派員、キャスターなどを務める。退社後、調布市議を経て、2010年参院選に比例代表で初出馬し、12年に繰り上げ当選。参院国家基本政策委員長。参院神奈川選挙区、当選2回。立憲民主党。