麗しの島から

子どもを抱いて赤じゅうたん 台湾議会の初登院はひと味違った

福岡静哉・台北特派員
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赤ちゃんを胸に抱き、妻と共に赤じゅうたんの上を歩く国民党の洪孟楷氏=台北市の立法院で2020年2月1日、福岡静哉撮影
赤ちゃんを胸に抱き、妻と共に赤じゅうたんの上を歩く国民党の洪孟楷氏=台北市の立法院で2020年2月1日、福岡静哉撮影

 台湾の立法委員(国会議員)選で当選した113人の任期が、2月に始まった。1日にあった初登院を取材すると、台湾ならではのユニークな光景が見られた。選挙は、蔡英文氏が再選を果たした1月の総統選と同時に行われた。

家族と手をつないで登院

 1日午前7時過ぎ、台北中心部にある立法院の正門に着くと、すでに大勢の台湾メディア記者が撮影のため場所取りをしていた。荘厳な建物は、日本統治時代(1895~1945年)に建てられた高等女学校の校舎を活用している。赤いじゅうたんが正門から100メートルあまり先の議事堂前まで敷かれていた。

 私は、日本の国会でも初登院を取材したことがある。スーツや和服、着物姿の議員らが国会正門から入り、登院板のボタンを押すのがいつもの光景だ。だが台湾は様子が違った。

 午前8時、開門。一番乗りの民進党、陳欧珀氏(57)=宜蘭県区=は、高齢の母が座る車椅子を押し、他の親戚や支持者らと一緒に赤じゅうたんの上を議事堂の入り口までそろって行進した。驚いたのは、陳議員だけでなく大半の議員が、両親や子供、親戚らと手をつないで登院してきたことだ。

 日本の国会では、正門の外で家族や支持者が初登院を見送ることはあるが、敷地内を大人数で議事堂前まで歩くのは見た記憶がない。衆院事務局の広報担当者に電話で取材すると「日本でも事前に登録された方は国会敷地内に入れるが、大人数での登院というのは聞いたことがない」との答えが返ってきた。

 国民党の洪孟楷氏(37)=新北市1区=は乳児を抱き、妻と共に議事堂入りした。50人ほどの家族や支持者を引き連れて登場する議員もおり、なんだかほほ笑ましい。議会事務局によると、この日だけは議員が招待した家族や支持者らは全員、議事堂の玄関口まで同行できるという。事務局職員は「地方議会も含めて以前から、台湾では初登院を大勢で祝う習わしがあります」と言う。

 国民党の林奕華氏(5…

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福岡静哉

台北特派員

1978年和歌山県生まれ。2001年入社。久留米支局、鹿児島支局、政治部などを経て2017年4月、台北に赴任した。香港、マカオのニュースもカバーする。