ルーズでルール守らない安倍政治 「良いこと」は何もやっていない

藤井裕久・元財務相
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藤井裕久氏=玉城達郎撮影
藤井裕久氏=玉城達郎撮影

 安倍政権は「桜を見る会」の問題を見ても相当ルーズな政権運営をされていると思います。それは長期政権の緩みからだという人がいますが、私はそうは思いません。

 私は長期政権だった佐藤内閣で官房長官だった竹下(登元首相)さんの秘書官を務めました。直接、知っています。しかし、桜を見る会を利用するというような発想は全くありませんでした。

ルーズさは安倍政権の性格

 ルーズさは安倍政権の持っている性格から来ていると思っています。やっぱり選挙本位なのでしょう。佐藤(栄作)さんはそうしたことにはほとんど関心を示しませんでした。役所が決めた通りに、ルール通りに動いておられた。

 そのルールを守らなくなったのが安倍(晋三首相)さんということではないでしょうか。それは安倍さんの政治のあり方と関係しているのではないでしょうか。

長いけれども業績がない

 長く首相を務めた方は吉田(茂元首相)さんをはじめ、みな立派なことをやっておられる。しかし一方でみな、最後はみじめに去っていきました。

 吉田さんは副総理だった緒方竹虎さんに背かれました。佐藤さんはマスコミとうまくいかず、最後に誰も記者がいない会見をしました。中曽根(康弘元首相)さんは形だけは竹下さんに譲ったことになっていますが、その後リクルート事件などでいろいろ出てきます。みなさん、それぞれに良いことをやって業績を残されましたが、最後は失敗しているのです。

 ところが言いにくいことですが、安倍さんは良いことを何もやっていないのです。

 外交で言えば北方領土問題も拉致問題も進んでいません。経済でも失敗しています。リーマン・ショック以降、確かに世界各国は金融緩和政策をとりました。しかし米連邦準備制度理事会(FRB)も欧州中央銀行(ECB)も常に引き締めを意識しています。しかし、日本はそれが全くありません。また円安の問題もあります。私は速水優日銀元総裁と付き合いがありまし…

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藤井裕久

元財務相

1932年生まれ。大蔵省を経て77年参院初当選。90年衆院初当選。細川内閣と羽田内閣で蔵相、鳩山内閣で財務相を務めた。参院当選2回、衆院当選7回。2012年に政界を引退した。