新型コロナウイルスから全世界の健康を守るには、台湾は必要不可欠

李世丙・台北駐大阪経済文化弁事処処長
  • 文字
  • 印刷
マスクを買うため早朝から薬局の前に行列をつくる市民=台北市中山区で2020年2月6日、福岡静哉撮影
マスクを買うため早朝から薬局の前に行列をつくる市民=台北市中山区で2020年2月6日、福岡静哉撮影

 新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっている。全世界で感染者数はすでに3万人、死者数は700人を超えた。この3万人や700人というのは単なる数字ではない。大切な命である。

 「世界保健機関」(WHO)は公衆衛生上の「緊急事態」を宣言し、各国の専門家を招集し、即時に感染情報を共有しているが、人口2300万人の台湾だけが排除されている。台湾は先進医療技術と防疫の経験を持っており、各国の連携こそが感染拡大に対する最善策である。この状態では、防疫ネットワークの地理的空白を生じさせ、感染拡大の恐れがあると思われる。

 台湾は2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際、非加盟国であるという理由で、WHOから関連の防疫情報を随時得ることができず、多くの市民と医療従事者がSARS感染によって死亡した。今回、新型コロナウイルスの感染力がSARSを上回ることは明白であり、あまたの命を守るため、下記の理由から、台湾のWHO参加が必要不可欠だと理解してもらいたい。

 まず、台湾は感染防止に貢献できる医療水準を有している。台湾はすでに新型コロナウイルスの分離に成功、WHO技術会議で各国の専門家と情報交換ができれば、治療法の発見やワクチン開発の一助となりえる。また、19年に台日を往来した旅客は年間延べ710万人を超えているほか、台湾を離着陸または経由する旅行者が6900万人近くいる。今回、WHOの台湾排除によって、台湾人だけではなく、世界中の旅客の健康が著しく脅かされる状況であるのだ。

 以上の内容、また国際社会からの意見を受け、WHOが記者会見で2月11~12日の会合に台湾のオンラインでの参加を認めたと発表した。しかし、これは一時的な措置とみられており制度化されていないため、今後も台湾がWHO参加をするということにはならないのだ。

 WHO憲章には、すべての人々が健康を享受することは、人種、…

この記事は有料記事です。

残り361文字(全文1161文字)

李世丙

台北駐大阪経済文化弁事処処長

1963年11月生まれ。94年外交領事試験合格。台北駐大阪経済文化弁事処渉外課課長、外交部日本事務会総務部部長、台北駐札幌経済文化弁事処部長、台北駐札幌経済文化弁事処副処長などを歴任。18年11月から台北駐大阪経済文化弁事処処長。