Social Good Opinion

Z世代からみるフードロスを解決の方法

桑原慧・Youth Earthtainment Japan 共同代表
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Youth Earthtainment Japan 共同代表の桑原慧さん=岡本同世撮影
Youth Earthtainment Japan 共同代表の桑原慧さん=岡本同世撮影

日本はフードロスウォッシュ

 日本で初めてのフードロスに関する法律、「食品ロス削減推進法」が昨年の10月1日に施行されました。日本でもようやく法律ができたので、これをキッカケにフードロスのムーブメントが起こり、解決がより進んでいくと思っていました。しかし、現実は“フードロス”という言葉だけが独り歩きをしていて、大事なフードロスの原因、解決策が忘れ去られているように感じます。SDGsウォッシュならぬ、フードロスウォッシュです。

 <食品ロスは止められるか 「削減推進法」成立の見通し フードバンク活動支援も

フードロス=”悪”の考え方はもうやめない?

 なぜ、日本はフードロスウォッシュなのか。それは、「フードロスは”悪”である、食べ物を廃棄するのは許さない」と、多くの人は考え、テレビや新聞でもそのように取り上げているからです。

 フードロスは地球環境に悪影響を与えており、また世界には食へのアクセスが厳しい人がいるということを想像すれば、自然と”悪“と考えてしまうことも理解ができます。以前、私自身も”悪”だと考え、解決しなければという正義感から活動していました。その時は常にフードロスをしている人や企業の批判ばかりをしていました。

 しかし、”悪”という見方からでは、批判ばかりで解決に向けての議論は進まず、逆にフードロスのイメージを悪くして余計に難しい問題だと思わせてしまうと気が付きました。

フードロスは”楽しく”解決できる

 フードロスをどのような見方をして、伝えていくのがよいか、悩んでいた時に出合ったのが、クリエイティブクッキングバトル(略称CCB)。

 CCBは家庭でのフードロス削減のため、誰もが楽しく取り組める、をテーマに作られたイベントで、開催中は運動会のような熱気と元気さ、何より笑顔にあふれており、参加者が心の底から楽しんでいる様子が印象的です。

 <ちょっと残った野菜、期限ギリギリの食品、使い道に困る食材…無駄にしないために、どうする? >

 私は大学生版のCCBの運営を通して、フードロスに意識がなかった人が意識を持ち始めた姿や、マイナスのイメージがなくなったといった声をきき、フードロスは”悪”の見方からではなく、”楽しく”解決していけると強く感じるようになりました。

 フードロスは一人一人が意識して行動していくことで削減できるからこそ、CCBのように参加者に”楽しい”というポジティブな入り口から伝えていくことが求められていくと思っています。

TOKYO2020を起点に、アクションへ

 私が代表を務める団体では、ポジティブな入り口からアクションをしていこうと、TOKYO2020選手村のフードロスを“楽しく価値ある形”で解決して、ムーブメントをつくるという思いで活動していました。(選手村では大量のフードロスが出ることが想定されているが、具体的な取り組みは示されていないのが現状)

 私たちは組織委員会や選手村の事業者への働きかけを進めていたが、彼らは大量のフードロスが出ることを知られたくないとの思いから解決へのアクションも消極的でした。

 粘り強くさまざまなアプローチをしましたが、彼らの思いは変えることができず、TOKYO2020のフードロスをポジティブに解決していくことはかないませんでした。

 この活動を通して、日本全体ではまだまだフードロス解決の意識が低く、土壌が整っていないことを痛感しました。実際に、次のパリ五輪では国民の間にしっかりとした土壌があるから、もう既にフードロスの取り組みが行われることが決まっているそうです。

 そこで私たちは、根本となるフードロスの土壌づくりのため、これからTOKYO2020を起点として、若者らしく楽しく、ユニークにアクションを起こしていくことにしました。その際には必ずポジティブな入り口から伝えていき、多くの人を巻き込んでいきたいです。

 この活動が、5年後、10年後にTOKYO2020でフードロス削減はできなかったが、根本となる土壌が作られて、ムーブメントが起きた、と皆が思うように頑張っていきたいと思います。

Z世代だからできること

 私たちZ世代は次世代を担っていくからこそ、フードロスについて真剣に考えることができます。これは私たちの唯一無二の特徴です。

 そして真剣に考え心の底から解決していきたいと思うから、立場や環境に関係なく、さまざまな人たちとパートナーシップを組んで「フードロス解決」に向けてアクションをしていくことができると思います。

 Z世代がフードロス解決のイニシアチブをとり、皆を巻き込んで、連携して、フードロスを解決していけると確信しています。私はその一人でありたいし、そんなZ世代の仲間を増やしていくため活動をしていきます。

桑原慧

Youth Earthtainment Japan 共同代表

1997年生まれ。Youth Earthtainment Japanの名前の由来は「Youth×Earth×Entertainment」、TOKYO2020をきっかけとして次世代を担うユースが楽しくユニークに地球問題のアクションを行っていく。これまではフードロス問題を解決していくべく、フードロス削減の事業やイベント、子供向けのワークショップや交流会を企画運営。法政大学社会学部4年。