細野豪志の「ダイバーシティジャパン」

霞が関中が深夜まで「質問」を待っている

細野豪志・元環境相
  • 文字
  • 印刷
細野豪志氏=太田康男撮影
細野豪志氏=太田康男撮影

 官僚の働き方はかなりきわどいところまできている。国会開会中は役所の前に午前0時を過ぎてもタクシーがたくさん並んでいる。午前0時に帰れない人が相当いる。1週間の残業時間が110時間を超えたという話も聞こえてくる。人間として最低限の食事や睡眠さえ十分確保できない状況だ。

 過重労働の原因の一つが質問通告だ。国会審議の前に議員が質問内容を省庁に知らせ、省庁側がそれをもとに答弁を準備をする。

 私は前日の午後3時、遅くても午後4時までには出すようにしているが、議員によっては午後8時や午後9時になる。それから質問を担当省庁ごとに振り分け、省庁間の調整を行い、決裁する。霞が関中が質問を待っている。この負担が極めて大きい。

 議員が質問通告を早く出すことが基本だ。一方で官僚側もあまりにも細かく準備をすることで負担を増やしている。

 私も閣僚の時にレクチャーを受けたが、過去の答弁との整合性や省庁間の調整に大きなエネルギーを使っている。さらに追加で質問が来た場合はどうするか、という枝分かれの想定問答まで用意する。

 実質的な議論をするためには事前の準備が必要だ。官僚側には「うちの大臣を守る、恥をかかせたくない」という思いも強い。しかし、政治家の勉強不足のために官僚に頼りすぎていることは反省しなければならない。

 国会議員が内閣に提出する質問主意書はさらに大変だ。閣議決定するために重みがあり、質問通告よりも官僚にかかる負担は大きい。担当省庁だけではなく内閣法制局もチェックする。霞が関全体で手続きが増える。

 与野党が自主的に申し合わせるか、国会の議院運営委員会で話し合うなどして数を絞る工夫が必要だ。国会法を改正し、閣議決定の対象から外すことも検討すべきだ。

 また「忖度(そんたく)」などで問題になった政治家と官僚の関係についての問題がある。英国のように政府に入っていない議員と官僚の接触を制限する考え方もある…

この記事は有料記事です。

残り496文字(全文1296文字)

細野豪志

元環境相

1971年生まれ。2000年衆院初当選。首相補佐官、原発事故担当相、民主党幹事長などを歴任。衆院静岡5区、当選7回。民主党政権では原発事故対応に奔走した。00年に旧静岡7区で初当選した際は地縁がない、いわゆる落下傘候補だった。「パラシューター」という著書がある。